瀧川 正実 2016/6/21 9:00

ECサイトなどで通常価格より安い値段で商品を購入したところ、実際は定期購入契約だった――。こんなトラブルが急増していると、国民生活センターが6月16日に公表した。

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に寄せられた相談件数は増加傾向にあり、2015年度は5620件で、2011年度(520件)比10倍以上という。

トラブルの内容は、消費者が自主的に停止手続きをしないと自動で定期購入へ切り替わってしまう、消費者の認識が「お試し」「1回だけ」だったが実際は定期購入契約だった、といった相談が多いとしている。

解約を申し出ようとしたところ「事業者へ電話がつながらない」「初回価格だけ支払えばよいと思っていたのに事業者から通常価格を請求された」といった相談もあった。

2015年度の相談件数(5620件)のうち、化粧品や健康食品が多くを占めている。

ECサイトなどの定期購入でトラブルが急増? 相談件数は5年で10倍に増加 国民生活センター調査

相談件数の推移

国センは、相談事例からみる問題点を次のようにあげた。

  • 定期購入である旨の表示が分かりにくい
  • 解約はできない旨の表示が分かりにくい
  • 解約を申し出たところ、通常価格を請求される
  • 事業者への解約の申し出が困難

なお、こうした定期購入の問題に対処するため、政府は消費者契約法を改正。消費者に不利な契約条項は無効とする内容を盛り込んだ消費者契約法10条について、「消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項」を不当条項(消費者に不利な契約条項は無効)として例示するといった法改正を行った。

一方、PIO-NETの情報の信頼性に疑問を持つ人もいる。2015年に行われた特定商取引法専門調査会では、「PIO-NET情報につき、種々の相談情報が客観的には整理されていない等の問題があるため、立法の必要性を厳密に基礎づけるデータベース足り得ず、そもそもの立法の根拠が認められない」など、疑義を投げかける委員もいた。

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