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「売上が伸び悩んでいるし景気も良くなりそうにない。何か新しい切り口でビジネスを始めなければ……」「これまでと違ったビジネスモデルを活用して新しい顧客を獲得し、つながりを作りたい」。そんな風に考える人々が今、注目のキーワードとしてあげているのが「サブスクリプション」です。

従来型の「定期購入」などと同じように感じますが、何が違うのでしょうか? ここではすでに登場しているさまざまなサブスクリプションサービスを中心に、サブスクビジネスを解説します。

サブスクビジネスの成否を分けるのは「顧客体験」

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2019年12月に発表した『サブスクリプション・サービスの動向整理』によると、消費者がサブスクリプションサービスを利用する理由を以下のように回答しています。

“三菱UFJリサーチ&コンサルティング サブスクリプション・サービスの動向整理
「サブスクリプション・サービスの利用理由」(複数回答/n=520)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング『サブスクリプション・サービスの動向整理 2019年12月9日』より作成

サブスクリプションビジネスは、単なる買い物ではなく、「多くの商品・サービスを利用したい」「安価に利用したい」「使いたいときに利用したい」など、さまざまな消費者ニーズに対応するビジネスモデルです。

企業にとってのサブスクリプションの魅力は、なんといっても継続的な収益が期待できること。新規顧客を獲得するよりも、既存顧客のLTV(Life Time Value)を最大化していく方が低コストなため、いかに長期で継続してもらうかがサブスクリプションビジネスの成否を分けることになります。

そのためには購買履歴やサイト内での行動などの顧客のデータを有効活用し、ユーザーを飽きさせない商品の開発やサービスの改善が不可欠です。また、アプリや会員用ページで配達日や注文内容の変更を受け付けるなど、受け取りやすく続けやすい工夫や、返送や交換がスムーズにできる仕組みも必要です。

また、SNSなどインターネットを通じて顧客の意見や感想などを取り入れ、顧客満足度を上げる、つまり顧客とより深くコミュニケーションし、関係性を築く必要があることも、サブスクリプションビジネスの特徴と言えます。

“コト”と“モノ”のサブスクリプション

「サブスクリプション」が一般的な言葉になったきっかけは、動画配信や音楽配信など、手元に物理的な商品が残らない、体験型の“コト”のサブスクリプションです。

古くは貸本屋、ビデオレンタル店、レンタルレコード店というように、コンテンツを物理的にシェアする仕組みは従来からありますが、2010年代、クラウド上のデータをシェアする形式に変わり、都度課金から月額(あるいは年額)課金に変わったことで、「料金が変わらないならこれも試してみよう」という行動が生まれ、検索やサジェスト技術の進化もあり、鑑賞スタイルや楽しみ方が大きく変わりました。

コトのサブスクリプションの例

以下、“モノ”のサブスクリプションを例に、ビジネスモデルとしてのサブスクリプションサービスを、冒頭で紹介した消費者インサイトと合わせて、パターン別にご紹介します。

パターン1
最初にユーザーが選んだ特定の商品を送り続けるモデル

“最初にユーザーが選んだ特定の商品を送り続けるモデルの例”
対応できる消費者インサイト:「購入・支払いの手間が省ける」「定額の支払いであり払いすぎの心配がない」

化粧品や健康食品、サプリメントなど同じ商品を、毎月継続的に送り続けるモデルです。「リピート通販」「単品通販」「定期購入」と呼ばれているパターンがこれに当てはまります。

最近では一般的になってきた家庭用のウォーターサーバーの水や、コンタクトレンズ、オムツなどもこのパターンに入ります。

パターン2
同一SKUの別商品を送るモデル

“同一SKUの別商品を送るモデルの例”
対応できる消費者インサイト: 「購入・支払いの手間が省ける」「定額の支払いであり払いすぎの心配がない」「多くの商品・サービスを利用できる」

SKU(Stock Keeping Unit/商品管理の最小単位)は同じでも、毎回内容が違う商品を送ります。「頒布会」と呼ばれていたパターンです。気に入った商品のバリエーションをコレクションできるなどの顧客体験を提供できます。

雑誌の定期購読や、1年間で完結するようにシリーズ化された食品や雑貨、毎月パーツが少しずつ送られてきて、2年間、3年間という長期間で完成させる模型などもこのパターンに入ります。

パターン3
事業者がセレクトした商品を一定の間隔で送るモデル

“事業者がセレクトした商品を一定の間隔で送るモデルの例”
対応できる消費者インサイト:「自分に合ったものを専門家が選んでくれる」

事業者側がセレクトした毎回別の商品を、単品または詰め合わせにして送るパターンです。化粧品をセットにして送るサブスクだけで複数あります。食品関連では日本酒やワイン、コーヒー、パン、惣菜、生花などがあります。

自分では選ばない商品との出会いが楽しめることや、新商品を試せるといった顧客体験を提供できます。特にお酒やワインなど趣味性の高いジャンルでは、感想を言い合うイベントを開催したりコミュニティを作ったりなど、やり方次第でサービスの幅を広げられます。

パターン4
ユーザーが選んだ商品を一定期間貸し出し、返却してもらうモデル

“ユーザーが選んだ商品を一定期間貸し出し、返却してもらうモデルの例”
対応できる消費者インサイト: 「多くの商品サービスを利用できる」「安価に利用できる」「使いたいときにだけ利用できる」「商品やサービスを気軽に試すことができる」「取り替えられる、モノを捨てたり、所有が不要」

特に昨今、若い世代の女性を中心にファッションレンタルが人気です。アプリから着たいアイテムを選び、送られてきた服を着用して返却するサービスや、スタイリストが選んだ一式を配送するサービスなどがあります。男性向けのファッションレンタルでは、スーツがワンシーズン一式借りられるサービスなどがあります。

家電やカメラ、家具のサブスクでは、自社商品を月額数千円で貸し出し、2年ごとに最新機種と交換するというサービスを始めたメーカーもあります。オフィス家具のレンタルでは、テレワークが増えてから申し込みが殺到したようです。

この他に話題のサブスクリプションと言えば車。ローンとの違いは税金や車検代が含まれていることや条件をクリアすれば違う車に乗り換えられること。「使いたいときだけ利用できる」といったニーズに対応するモデルになります。

サブスクビジネスを検討する前に押さえておきたいシステム面

こうしたサブスクリプションビジネスを始めるはそれなりに準備が必要です。決済システムはもちろんのこと、その顧客がどんなステータスにいるのかがわかる顧客管理システムも必要です。返却が必要なサービスの場合はクリーニングの工程も加わるため、商品管理が複雑になります。

また、顧客とのコミュニケーションを快適に維持するために、さまざまな工夫も必要です。例えば新規顧客と会員とでは接し方を変えなければなりませんし、同じ会員でも属性によってアップセル、クロスセルの施策は使い分ける必要があります。また、解約を防いで継続率を上げるためには、顧客の意見や要望をくみ取ることが重要です。こうしたことが実現できるシステムが必要になるということです。

サブスクリプションに求められる顧客体験を実現するには、

  1. 印象的なUX、デザインと機能性
  2. 適切なカスタマーサービス
  3. マルチチャネル戦略
  4. 購入から配送までのスムーズな取引

などが必要になります。いわゆるカスタマーエクスペリエンスの向上で、それを実現するシステムの考え方として、ヘッドレスコマース(eコマースプラットフォームからプレゼンテーションレイヤーを分離することで、コンテンツ管理、UX、およびSEOの柔軟性などを実現する考え)があげられます。

こうしたことを踏まえ、まずは自社でサブスクリプションを始めるならどんなビジネスが可能かどうか、考えてみてはいかがでしょうか。

 

この記事はGMOシステムコンサルティング株式会社が運営するオウンドメディア「Six commerce」に掲載された記事を再編集したものです。オリジナルの記事へは下記のリンクをご利用ください。

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