テレビ通販大手のQVCジャパンは6月17日、ロイック・レトレ氏が同日付で代表取締役最高経営責任者(CEO)に就任したと発表した。レトレ氏は取締役会会長も兼務する。QVCジャパンは、新たな経営体制のもとで持続的な成長と企業価値の向上をめざす。
今回のトップ交代は、これまでの暫定的な経営体制を経て、本格的な成長戦略を推進するフェーズへの移行と位置付けている。

レトレ氏は、ラグジュアリー、ビューティー、消費財、トラベルリテール分野で、日本、香港、オーストラリアをまたぐ国際的な経営経験を積んできた人物。
2023年4月から2025年11月までは、オーストラリアの化粧品メーカーJurliqueでグローバルCEOを務めた。2021年8月から2022年7月まではラグジュアリートラベルリテーラーのDFS Group LimitedでPresident Global Retail Operations、2019年8月から2021年8月まではダイソンでRegional President North Asiaを歴任した。また、ネスレネスプレッソでは2007年から2014年まで日本法人のPresident and Representative Directorを務め、その後は2014年から2019年までオセアニア地域(オーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸島)の責任者を担った。
このほか、2005年から2007年にはユニリーバでGeneral Manager Asia-Pacific、2001年から2005年にはLVMHで「Moët Hennessy」のRegional Travel Retail Director – Asia Pacific、1998年から2001年にはLVMHにおけるParfums GivenchyのNorth Asia Area Managerを務めた。キャリア初期の1996年から1998年には、日本のロレアルでプロダクトマネージャーを経験している。
就任にあたりレトレ氏は、これまでに築いてきた強固な顧客基盤とブランドへの信頼を大切にしながら、QVCならではのショッピング体験のさらなる進化に取り組む考えを示した。魅力的で価値あるコンテンツとサービスの提供を通じて、利用者が好みのデバイスから好きなタイミングで楽しめる購買体験を提供するとしている。
一方、暫定的に事業運営を担ってきた前CEOのグレゴリー・ベルトーニ氏は、社員1人ひとりの高いプロフェッショナリズムがQVCジャパンの価値を支えているとコメント。新体制のもとで、顧客やパートナーとの信頼関係を大切にしながら、さらなる成長を実現していく考えを示した。
QVCジャパンの直近の動きとして、6月からテレビ通販業界で初となる「TikTok Shop」公式ストアを本格始動、ショート動画やLIVE配信を活用したソーシャルコマース領域での顧客接点拡大を進めている。新経営体制のでは下、こうした放送・EC・SNSを横断した販売戦略の強化にも注目が集まりそうだ。
なお、米QVCグループを巡っては、米国で2026年4月に連邦破産法第11条に基づく財務再編手続きが開始されている。ただし、日本を含む海外子会社や関連事業体は対象外であり、各国事業は通常通り継続するとしている。今回のQVCジャパンの新経営体制は、こうしたグループ再編のなかで日本事業の成長をどのように加速させるのかという観点からも注目される。
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