企業・店舗のLINE公式アカウントから、ユーザーへ重要性や必要性の高いお知らせを配信できるサービス「LINE通知メッセージ」。企業とユーザーのつながりを徹底的に支援するLINE公式アカウントでメッセージが届くからこそ、単なる“通知”に留まらない顧客満足度向上やポストパーチェス(購入後の体験)の改善などの効果が得られると評価され、自社ECからモール出店者まで、規模を問わず導入が拡大している。「LINE通知メッセージ」の戦略立案・実行に携わるLINEヤフーの各務慎平氏に、活用のポイントや効果について取材した。

重要なお知らせをLINEで届けられる「LINE通知メッセージ」とは?
国内ユーザー数は1億人(2025年12月末時点)を突破し、日本人口の約8割が利用するコミュニケーションアプリ「LINE」。日々の生活に溶け込むLINE上で利用できる企業・店舗向けサービス「LINE通知メッセージ」の活用に、今注目が集まっている。
「LINE通知メッセージ」とは、企業が保有する電話番号とLINEに登録されているユーザーの電話番号をハッシュ化してマッチングすることで、友だち追加されていないユーザーにも企業のLINE公式アカウント※からメッセージを配信できるサービスだ。配信できるメッセージは、広告を除く、ユーザーにとって重要なメッセージのみ。荷物の配送予定、公共料金の確定案内、予約に関する通知などで活用する企業・店舗が増えている。
※審査を通過した認証済のLINE公式アカウントからのみ配信される
ユーザーからすると、日常的に使い慣れているLINEで大事な情報を受け取れるため、利便性が高く、顧客満足度の向上につながる手段となっている。企業側としては、情報をわかりやすく表示できるため次のアクションに誘導しやすいだけでなく、通知を受け取る際にLINE公式アカウントの友だち追加を自然に促せる点も大きなメリットだ。

企業からユーザーにお知らせを送る方法はさまざまあるが、「LINE通知メッセージ」への注目度が高まっている理由を、各務氏は次のように説明する。
一般的に、メールやネイティブアプリで通知を届ける企業・店舗も多いなかで、なかなか開封されないという課題もあがっていた。加えて、昨今はSMSを用いても「詐欺ではないか」と疑われることが増え、ユーザーに情報を伝えること自体の難易度が高まっている。その点、LINEは多くの人にとって馴染み深い存在であり、「LINE通知メッセージ」を利用できるのは当社の所定の審査を通過したLINE公式アカウントのみのため、安心してメッセージを受け取ることができる。この信頼性も「LINE通知メッセージ」の強みとして評価されている。(各務氏)

「LINE通知メッセージ」がもたらす“直接的な効果”と“間接的な効果”
「LINE通知メッセージ」はメールやSMSなどのテキストメッセージに比べ、画像を用いた視認性の高いリッチな情報を届けられる優位性がある。そんな「LINE通知メッセージ」には、さらに“直接的な効果”と“間接的な効果”を創出する特性がある。
配信機能だけではない。解約・離脱の防止やカスタマーサポート業務の軽減などにも貢献
「LINE通知メッセージ」は、通知を受け取ったユーザーに次の行動を促しやすいテンプレートを用意している。たとえば、サイトに訪れたユーザーが会員登録した際の会員登録完了通知、商品購入後の購入完了通知、発送完了通知のほか、定期販売における解約防止を目的とした配送予定通知も、テンプレートを用いることで簡単に配信できる。

定期販売では、商品を使いきらないうちに次の商品が届いてしまい、ストックが溜まっていくと解約・離脱されやすくなる。実際に溜まりすぎを防止し、顧客満足度を維持するために「LINE通知メッセージ」を活用するEC事業者の事例もある。
他にも、通販・ECでは商品の配送に関する問い合わせがつきものだが、「LINE通知メッセージ」から発送通知を行うことで、カスタマーサポート業務の軽減、コンタクトセンターのコスト削減にも寄与している。
メッセージが届いてすぐに開封されやすいLINEだからこそ、企業とユーザーの双方にメリットがある
「LINE通知メッセージ」をきっかけにLINE公式アカウントの友だち追加を促すことで、リピート購入・継続利用の促進まで一貫したコミュニケーションが可能で、CRMにも活用できる。これこそが、単に通知を届ける機能にとどまらない「LINE通知メッセージ」の優位性と言えるだろう。
一般的に、会員登録から購入までの間に一定数の離脱は発生するものだが、「LINE通知メッセージ」とLINE公式アカウントを活用することで、離脱の防止が期待できる。たとえば、「LINE通知メッセージ」で会員登録完了通知を送る際に、LINE公式アカウントの友だち追加をしてもらうことで、その後も顧客と継続的に関係を構築し、購入を後押しするメッセージが配信できる。(各務氏)
また、ECを利用するユーザーにとっても、「LINE通知メッセージ」によって、安心感や見落としの少なさなど多くのメリットがある。
ECのプロセスにおいて、注文完了や発送予定などさまざまなお知らせ事項が発生するが、ユーザーに届けても気付いてもらえなかったり、見てもらえなければ意味がない。そうした懸念があるなかで、LINE公式アカウントから届くメッセージの開封率は高く、さらにはあまり時間を置かずに開封される傾向がある。
ある調査でLINE公式アカウントからメッセージを受け取って見るまでの体感値を集計したところ、「(受け取って)すぐ見る」と回答した人は約2割、「3~6時間以内で見る」が約半数、「その日のうちに見る」が約8割にものぼった。商品が間もなく届くときの通知など、すぐに確認してほしい情報をより確実に届けられる強みも「LINE通知メッセージ」は兼ね備えている。

“直接的な効果”(購買促進、離脱防止、コスト削減、顧客満足度の向上など)と、“間接的な効果”(友だち追加後のユーザーのアクションが将来的に生み出す利益)を兼ね備える「LINE通知メッセージ」。サービスを開始した2018年当初は、物流や電力会社などインフラ関連での導入が多かったが、その効果や評判が広がりを見せ、今では業界を問わず幅広く利用されている。
2025年のリニューアルで、より早く・より手間なく導入が可能に
「LINE通知メッセージ」は2025年6月に大幅なリニューアルを実施し、法人向けの新しい機能や料金プランの提供を開始。利便性がより高まり、導入企業や利用シーンが広がっている。
従来は「LINE通知メッセージ」経由で送れるメッセージは22種類に規定されていたが、リニューアル後は通知可能な用途を拡大し、約100種類を提供(2026年4月時点)。ユーザーや企業のニーズを踏まえて、今も随時種類を増やしているという。
また、従来の「LINE通知メッセージ」では、メッセージのテキストやレイアウトなどのフォーマットを企業側で作成した上で、個々にUXの審査を通す必要があった。しかし、リニューアル後はLINEヤフーが規定するテンプレートを使用する場合に限り、UX審査を経ずに利用できるようになっている。「テンプレートを幅広く用意したことで、導入企業側は要件定義が不要になった」(各務氏)と言い、スピーディかつスムーズな導入が実現できているという。
なお、現在でもUX審査を経れば、各社でフォーマットを作成することは可能だ。
EC事業者が抱える課題の解決に直結。日本市場に参入した海外ECも国内ユーザーの不安払しょくに効果
「LINE通知メッセージ」のテンプレート一覧で紹介した通り、「LINE通知メッセージ」では注文完了や発送完了などさまざまな用途の通知ができる。
EC事業者にとっては、これらの機能が問い合わせ削減に貢献するだけでなく、顧客満足度向上とポストパーチェス(購入後の体験)の改善に大きな効果が期待できるという。
いつも使っているECサイトやモールであれば、発送状況などの知りたい情報はどこを見ればいいのか大体わかるが、初めて使うECサイトの場合、「本当に商品が届くのか?」「どこにどの情報が載っているのかわからない」といった不安を持たれやすいと思う。その上、せっかくメールなどで発送のお知らせを送っても、開封されずに情報が伝わらないお客さまも一定数いると考えられる。そうした課題に対し、LINE上で通知が届くことでお客さまに安心感が与えられ、結果的に企業のブランドイメージや継続率の向上にもつながる。(各務氏)

実際に、「LINE通知メッセージ」は日本市場に参入した海外EC企業にも絶大な効果を発揮している。
海外のECやブランドに慣れていない日本のユーザーのなかには、日本でサービス展開をしている海外企業のECサイトの設計に戸惑い、購入前から購入後までのさまざまな場面で不安を感じることがある。そうしたなかで、日本のスマホ保有者の多くが使い慣れているLINE上で注文完了や発送完了の通知を届けることにより、安心感につながっているという。
「LINE通知メッセージ」を導入した海外ECにヒアリングしたところ、「日本のユーザーから不安がられることを懸念していたが、『LINE通知メッセージ』で不安が払しょくでき、問い合わせ数も減った。ブランドイメージや顧客満足度の向上にも貢献している」と評価する声が寄せられた。
単にユーザーへ通知すればいいのではなく、「LINE通知メッセージ」を通して知らせることに、大きな意義を感じているようだ。
事業規模を問わず導入しやすい「LINE通知メッセージ」。今後も進化が続く
「LINE通知メッセージ」は、LINEヤフーの認定パートナー企業を通じて、利用申請の手続きや開発を進めることができる。まず、LINEヤフーのサービスの販売を手がけるセールスパートナーに申し込みをし、導入の開発支援はテクノロジーパートナーが行う仕組みになっている(認定パートナー一覧:https://www.lycbiz.com/jp/partner/sales/)。
また、リニューアル前までの「LINE通知メッセージ」はフォーマットの自由度が高い一方で、導入各社が作成する手間やUX審査にかかる期間とやり取りが発生してしまっていたが、リニューアル後の運用では豊富な種類のテンプレートが用意されているため、それらのハードルはほぼなくなったと言える。
認定パートナーの支援によって導入しやすく、リニューアルで導入企業にかかる手間も一段と軽減された「LINE通知メッセージ」。今後も引き続き利便性を追求し、導入企業とユーザーのつながりをより深められるサービスへと進化していきたいと各務氏は話す。
2025年に実施したリニューアルで、「LINE通知メッセージ」の機能はより良くなったと思っているが、私たちはさらなるサービス向上をめざしている。今後も、「LINE通知メッセージ」をもっと使っていただけるような機能の拡充を計画しているので、これからの進化にも期待していただきたい。(各務氏)
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