急がない注文は当日配送対象でも翌日配送に。アスクルが始めた配送日を当日・翌日から選べる「当日配送選択式サービス」とは

BtoB通販の「ASKUL」は、これまで一律で当日配送していた当日配送対象の注文の配送日を当日・翌日から選べるようにした。名古屋センターの配送エリアから運用開始とし、2025年5月までに全エリアに広げる予定。

鳥栖 剛[執筆]

2024年7月3日 7:30

アスクルは7月2日、BtoB通販「ASKUL」において当日配送対象の注文の配送日を当日・翌日から選べる「当日配送選択式サービス」を開始した。名古屋センターの配送エリアから運用し、2025年5月までに全エリアへ広げる予定としている。

急がない注文は当日配送対象でも翌日配送に移行できる

「ASKUL」では従来、当日配送エリアにおいて前日18時から当日11時までの注文は一律で当日配送していた。「当日配送選択式サービス」の開始により、初期設定を翌日配送とし、希望に応じて当日配送する運用に変更した。

配送ドライバー不足への取り組みの一環で、当日配送の物量比率を調整しドライバーの生産性向上、労働環境改善につなげる。

「当日配送選択式サービス」の適用対象は、前日18時から当日11時の配達指定日のない注文のうち、配達先が当日配送可能エリアかつ、注文商品が最寄りのセンターから出荷できる注文。従来は、商品ページの配達日が当日の日付のみの表示だったが、翌日の日付が初期設定となり、当日配送は「お急ぎ便」として併記する。購入画面で「お急ぎ便」へ変更することも可能。またマイページで「お急ぎ便」をデフォルトに変更する設定もできる。

アスクルが2024年1月から3月にかけて名古屋センターの配送エリアで実施した実証実験では、当日配送の配送個数が約60%減少し翌日配送に移行。配送ドライバーの配送生産性は11%向上し、配送ドライバーの労働時間が1日あたり平均45分短縮した。

また、2021年の7月に顧客144人に対して実施したWeb調査では、「当日配送を常に利用したい」という回答は1割にとどまり、「急いでいるときに利用したい」が8割に達した。こうしたニーズを踏まえ、実証実験を実施した同エリアから本格展開を開始した。

「当日配送選択式サービス」によるドライバーの労働時間の短縮は労働環境の改善だけでなく、顧客の在勤時間帯に配送できる荷物が増え、不在による再配達削減といったサービス向上も期待できるとしている。今後は効果測定を実施しながら他の配送エリアにも順次展開。2025年5月までに全エリアでの展開をめざす。

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