【猛暑・酷暑の企業動向調査】5割が猛暑・酷暑で業務に支障、業界別で「小売」は5割、「卸売」は43%

帝国データバンクの調査によると、猛暑日・酷暑日で業務に支障が出た企業は50.0%にのぼった。小売は50.0%、卸売は43.6%で、企業の87.8%が暑さ対策を実施・強化している。

鳥栖 剛[執筆]

7月21日 7:30

帝国データバンクが公表した「猛暑・酷暑に関する企業の動向アンケート」によると、最高気温35度以上や40度以上の顕著な高温を記録した日に、業務や事業活動に「支障が出た」と回答した企業は50.0%に達した。また、企業の87.8%が直近1~2年以内に猛暑・酷暑対策を実施、または強化・拡充していることもわかった。

5割の企業が猛暑・酷暑で業務に支障

業務への影響については、「大きな支障が出た」が6.5%、「やや支障が出た」が43.5%で、合計50.0%となった。

【猛暑・酷暑の企業動向調査】5割が猛暑・酷暑で業務に支障、業界別で「小売」は5割、「卸売」は43%
夏場の高温による業務への影響について

業界別では、屋外作業が多い「建設」が73.6%、「農・林・水産」が66.7%と全体を大きく上回った。また「小売」は50.0%、「卸売」は43.6%だった。

支障が出た企業からは、「現場作業なので作業効率が低下する。休憩時間を増やし、短時間で内容の濃い作業を心がけるよう指示している」(建設)、「高温のため整備工場内で社員が熱中症になった」(自動車・同部品小売)といった声が寄せられた。作業効率の低下に加え、安全面への影響も表面化している。

また、「発注先の理解と協力がないと十分な熱中症対策は取れないのが現状。発注元の担当者へ直接協力を依頼し、少しでも従業員を守れるよう取り組んでいる」(メンテナンス・警備・検査)との回答もあり、取引先の協力が対策の実効性を左右する実態もうかがえる。

一方、「支障は出ていない」と回答した企業は44.2%、「支障はなく、好影響を受けた」は1.5%だった。

好影響を受けた企業からは、「避暑地で事業を展開しているため、暑い夏は歓迎」(娯楽サービス)、「暑熱対策商品を販売しているため、夏場の需要が増え、昨年より売り上げに貢献している」(繊維・繊維製品・服飾品卸売)といった声があった。

約9割が猛暑・酷暑対策を実施・強化

猛暑・酷暑対策については、87.8%の企業が「直近1~2年以内に対策を始めた」または「強化・拡充した」と回答した。

【猛暑・酷暑の企業動向調査】5割が猛暑・酷暑で業務に支障、業界別で「小売」は5割、「卸売」は43%
猛暑・酷暑対策の実施有無とその内容

具体策では、「水分・塩分補給品の支給」が61.2%で最多。次いで「空調設備や遮熱シート、扇風機の使用・増設」が47.8%となり、暑さ対策グッズの支給や設備面の強化が広がっている。

企業規模別では、大企業で「熱中症予防・重篤化防止に関する学習や周知」が61.2%と、全体平均(41.4%)を大きく上回った。一方、中小企業では「休憩時間の追加・延長」「臨時休暇の設定」「営業(就業)時間の短縮」など、制度面での対応が目立った。

個別の取り組みとしては、「全ドライバーに深部体温を測定できる熱中症対策機器を支給している」(運輸・倉庫)、「飲料水を全従業員に毎日3本まで無償で支給している」(建材・家具、窯業・土石製品製造)といった回答も寄せられた。

帝国データバンクは、労働安全衛生規則の改正により事業者への熱中症対策が義務化されてから1年が経過したことを踏まえ、適切な対策を講じなければ、作業効率の低下だけでなく、従業員の生命に関わるリスクも高まると指摘した。

一方で、企業からは「何の補助もなく管理コストだけが増加する」といった声も上がっており、熱中症対策を継続するための公的支援の必要性も示している。

調査概要

  • 調査期間:2026年7月10~14日
  • 調査方法:インターネット調査
  • 有効回答企業:1194社
あなたのまわりの「スゴい人」を表彰します! 第4回 ネットショップ担当者アワード 募集中

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る

企画広告も役立つ情報バッチリ! Sponsored

エージェンティックサーチ時代のEC戦略。なぜ今、検索とUGCの強化が不可欠なのか 10月14日 7:00 BtoB-ECの収益を決めるリピート率はどう伸ばす? チャネルトーク×ZETAが明かす「検索×AIチャット」を活用した業務自動化とCX向上 10月5日 8:00 「売上増」と「利益率改善」をどう両立する? 世界153社のデータから見るAIエージェント時代のEC戦略が学べる資料【PDFを無料提供】 10月2日 7:00 カゴ落ち率を改善する3ステップ・アクションプラン。広告費を増やす前にふさぐべき、ECサイト最後のバケツの穴「決済承認率」改善方法 9月29日 8:00 【海外事例4選】BtoBコマースの新潮流とは? マーケットプレイス活用と「エージェンティックコマース」への備え 9月28日 7:00 CVR改善と不正利用対策を両立。美容家電の公式ECに学ぶ「Amazon Pay」導入の実際 9月10日 8:00 顧客の8割は「なんとなく」離脱する。ECリピート売上を最大化する7つの鉄板シナリオをアクションリンクが公開 8月3日 7:00 ストア評価2.5→3.8へ! 三陽商会の「SANYO公式アプリ」、リニューアル成功の裏側とOMO戦略 7月29日 8:00 決済承認率15%改善、不正率ほぼゼロを実現。「and ST」が導入したRiskifiedの網羅的な不正対策アプローチ 7月14日 7:00 ECビジネスに有効! リピート促進や顧客満足度向上に直結する「LINE通知メッセージ」とは? 6月22日 7:00