鳥栖 剛[執筆] 9/18 8:00

「北欧、暮らしの道具店」の運営などを手がけるクラシコムは、2027年7月期までに連結売上高を100億円規模に引き上げる。広告投資を現在の約2倍となる年間10億円程度まで増額し、売り上げ成長の再加速を図るという。

「北欧、暮らしの道具店」の運営などを手がけるクラシコムの成長戦略
広告投資を強化し2027年7月期に連結売上高100億円規模をめざす(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

クラシコムでは現在、「北欧、暮らしの道具店」の新規購入者の獲得が鈍化していることが課題にあがっているという。一方で、購入者1人あたりの売上高は増加、ファッションD2C企業foufouの子会社化などを通じて売り上げは伸長している。また、全年代を対象としたエイジレスな「卒業のないブランド」であり、さまざまなコンテンツでユーザーと接点を持ち続けることにより、継続・復活購入者は安定して伸びているという。

新規購入者を伸ばすことができれば、さらなる売上成長が見込めるとして広告投資を強化する。効果的な組み合わせや、内容など広告投資のノウハウを積み上げ、3年間でその後のマーケティング戦略の土台作りりをめざすとしている。

「北欧、暮らしの道具店」の運営などを手がけるクラシコムの成長戦略
新規獲得の鈍化が課題となっている(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

アプリダウンロード広告、Web広告、マス広告などマーケティング投資を拡大。2024年7月期は約4.5億円だった広告宣伝費を2027年7月期まで毎年約10億円程度に増額する。なお、売上高に占める広告宣伝費の比率は2024年7月期実績の6.6%から10%以上に高まる。

「北欧、暮らしの道具店」の運営などを手がけるクラシコムの成長戦略
2024年7月期は約4.5億円だった広告宣伝費を2倍超となる10億円まで引き上げる(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

クラシコムはこれまで、約半年で回収できる金額を目安として広告へ投資してきた。ただ、LTV(顧客生涯価値)は長期で伸び続けるため、約半年を目安とした広告投資では機会損失が発生している可能性があると判断。さらなる売上成長機会を確保するという観点からも広告投資を増額する。

「北欧、暮らしの道具店」の運営などを手がけるクラシコムの成長戦略
クラシコムではこれまで約半年で回収できる金額を目安として広告への投資を行ってきた(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

広告展開では、テレビCMなどマスメディア広告にもチャレンジしていく。すでに2024年9月から関西地方でテレビCMのトライアル放送を開始している。

クラシコムでは2023年に2度テレビで取り上げられた際、番組放送中にアプリがそれぞれ6000以上ダウンロードされた。放送月のアプリユーザー初回購入転換率は通常時の2倍前後となり、他のチャネルから獲得したユーザーと比較して貢献度が高かったという。主要ターゲット層である50代以上の女性は、インターネットのみでアプローチできる層ではないとし、テレビCMによる顧客数の増加を期待しトライアルを進めている。

なお、テレビCMなどマスメディア広告の顧客獲得効果は不確実であるため、トライアルの実績を見ながら規模や内容を調整していくという。業績予想数値は、最大限投資する前提で広告宣伝費を計上するとした。

今期(2025年7月期)と来期(2026年7月期)においては先行投資期間となるためEBITDAマージン(売上高に占めるEBITDAの割合。EBITDAは減価償却前の営業利益)は一時的に下がるが、2027年7月期には約15%に戻る想定としている。

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