鳥栖 剛[執筆] 8/26 7:00

ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などのパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は、2027年6月期に電子マネー「majica(マジカ)」のアプリ会員数を現在の2倍となる3000万人への拡大をめざす。2024年6月期の決算発表で言及した。

PPIHの2024年6月期連結業績は、売上高が前期比8.2%増の2兆951億円、営業利益が同33.2%増の1402億円、当期純利益は同34.1%増の887億円。majica会員限定の価格戦略やキャンペーン施策が大きくけん引したという。PPIHでは2030年6月期に向けた中長期経営計画「Visionary2030」で、営業利益2000億円達成を目標に掲げている。majicaアプリ会員数倍増に向けた取り組みもその一環。

「majica」は2014年3月からサービスを開始した電子マネー。PPIHグループのドン・キホーテ、MEGAドン・キホーテ、アピタ、ピアゴなどの加盟店で利用できる。実店舗のレジや専用チャージ機、クレジットカード、銀行口座からチャージできる。アプリ版も用意しており、最大5%のポイント還元やアプリ会員限定のクーポン発行のほか会員限定のキャンペーンなども展開している。アプリ会員数は2024年6月期までに1500万人を突破している。

メディアを活用したアプローチや新たなアプリ施策で、2027年6月期までに現在の2倍となるアプリ会員数3000万人をめざす。現在、若年層(15~24歳)人口の20.1%がmajica会員となっているとし、2027年6月期には若年層人口50%の会員化につなげる。若年層の支持をさらに集めたい考え。

アプリ会員3000万人達成に向けては、新規来店者の獲得と会員化、既存客の会員化を実施。既存会員向けには、来店頻度向上と離脱阻止、休眠会員の復活促進を図っていく。

ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などのパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は、2027年6月期に電子マネー「majica(マジカ)」のアプリ会員数を現在の2倍となる3000万人への拡大をめざす
会員/非会員、過去1年の来店/非来店の4象限に分け施策を行う(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

新規顧客の獲得施策としては「テレビCM」「学割」「インフルエンサー活用」などを行い、非来店層へのアプローチを図る。

テレビCM施策は、ドン・キホーテに来店したことがない若年層を惹きつけるような大型キャンペーンを実施する予定としている。学割施策としては化祭や卒業式といった学生ならではのイベントごとに必要な商品を特設サイトで提案し、学生限定の割引を提案し学生との接触機会を増やしていく計画。インフルエンサー施策は、若年層の人気が高いインフルエンサーによるライブ配信でドンキ商品の紹介を行い、接触機会を増やし利用意向の拡大につなげたい考え。そのほか、若年層向けのアイテムを集めたアワードといったカテゴリーに特化したフェスなどを通じ、若年層のファンを獲得していくという。こうした取り組みを通じて来店とアプリ会員化を促す。

ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などのパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は、2027年6月期に電子マネー「majica(マジカ)」のアプリ会員数を現在の2倍となる3000万人への拡大をめざす
「ドンキカラコンフェス2023」のようす(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

majicaアプリを通じては、既存会員の来店頻度向上を強化する。会員1500万人のデータ分析から、既存会員の属性ごとに有効なサービスやクーポンを出し分ける。そのほかアプリにデジタルスタンプカード機能を実装し、ゲーム感覚で参加可能なミッションなど用意するという。ミッション達成で特典進呈などインセンティブを設け来店頻度の向上につなげる考えだ。

離脱防止・離脱復活に向けたMA施策も手がけていく。来店頻度が下がってきた会員や、一定期間来店のない会員に対してはアプリ以外のタッチポイントを強化する。MAをかけ合わせた再来店アプローチで休眠会員100万人の呼び戻しを促す。

この記事が役に立ったらシェア!
これは広告です

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
ecbeing.
[スポンサー]