モスフードサービスは6月、市民農園「MOS FARM Tokyo 高島平農園」を開設する。東京都板橋区が進める緑地再整備のトライアル・サウンディング(公共施設を事業者などが暫定的に使用し、効果的な活用方法を探る取り組み)を活用。「テスト農園」と位置づけ、都市部の農地維持に貢献する「モスの貸し農園プロジェクト」の本格展開をめざす。
「モスの貸し農園プロジェクト」について
「モスの貸し農園プロジェクト」は、近年高まりを見せる市民農園へのニーズを踏まえ、モスフードサービスが社内で実施している新規事業創出プロジェクトで採択された新しい試み。都市部における農地活用モデルを可視化する「モデル農園」としての役割も担う。地域の農家や土地所有者との接点創出につなげるほか、将来的な農地ネットワークの拡大可能性についても検証する。
具体的には、「モスバーガー」の店舗や協力農家、全国の「モスファーム」との連携も視野に入れ、「育てる」「食べる」「地域とつながる」を循環させる新たな仕組みづくりをめざす。店舗で発生する野菜残さを活用した資源循環や、農園で育てた野菜や花を活用した取り組み、生産現場と生活者をつなぐ体験機会の創出など、「食と農の循環モデル」の可能性を追求する。
板橋区との連携
モスフードサービスは2023年5月、「モスバーガー」創業の地である東京都板橋区と、子育てや次世代育成、観光振興などの分野において相互に連携する「地域活性化等に関する包括連携協定」を締結。
板橋区は2025年3月に「高島平緑地再整備方針」を策定、その有効活用を進めるトライアル・サウンディングとして「モスの貸し農園プロジェクト」を採用し、「MOS FARM Tokyo 高島平農園」が誕生した。
モスフードサービスは、「MOS FARM Tokyo 高島平農園」を将来的な都市型貸し農園・体験農園事業の可能性を検証する「テスト農園」と位置づけている。貸し農園区画は2026年6月より順次利用者を募集する予定。本農園では、体験農園スペースなどイベントに活用できる場所も設置し、幅広い生活者の利用を通じて、子育てや次世代育成につなげる企画を展開する予定。
取り組みの背景
都市部を中心に農地が長年にわたり減少傾向にある一方で、レジャーや食育を目的に利用する市民農園は増加傾向にあるという。農林水産省の市民農園開設状況調査によると、2025年3月時点で全国に4273農園あり、面積は1284ヘクタール。このうち関東・近畿・東海の3大都市圏だけで全国の農園数の約80%を占め、とくに関東圏が全体の50%を占めている。
都市部で市民農園へのニーズが高い一方で、実際に貸し出される農園は不足している。「モスの貸し農園プロジェクト」は、こうした市民農園へのニーズを踏まえ、モスフードサービスが社内で実施している新規事業創出プロジェクトで採択された取り組み。
EC事業の強化も推進
モスフードサービスでは、収益の多様化に向けた取り組みの一環としてEC事業の強化も進めている。運営する「モス公式オンラインショップ ~Life with MOS~」では、冷凍の「ライスバーガー」や「モスチキン」などを販売。2025年7月に発売した「モスライスバーガー〈のり弁〉 ~白身魚フライときんぴら~」が好調で、2025年7~12月のEC関連売上は前年同期比で約1.5倍に伸長した。なお、2030年までに物販全体で約40億円、うちEC単体で約20億円の売り上げをめざしている。
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