ローソン、POSレジでステーブルコインによる店頭決済の実証実験

ローソンが、POSレジを使ったステーブルコイン店頭決済の実証実験に乗り出す。国内初の取り組みとして、専用端末を使わずにスマートフォン表示のバーコードをPOSレジで直接読み取る方式で検証する。

鳥栖 剛[執筆]

8月6日 9:00

ローソンは8月3日、ステーブルコインによる店頭決済の導入に向け、POSレジを使った実証実験を実施すると発表した。POSレジでステーブルコイン決済を実証するのは国内初という。専用端末や店頭掲出のQRコードを使わず、利用者がスマートフォンに表示したバーコードをPOSレジで直接読み取る方式を採用し、実店舗での新たなデジタル決済手段としての実用性を検証する。

ローソン、POSレジでステーブルコインによる店頭決済の実証実験
ローソン店舗POSレジにおけるステーブルコイン決済実証実験の流れと仕組み

ステーブルコインは、米ドルや日本円などの法定通貨に価格が連動するよう設計された暗号資産の一種。価格変動が比較的小さく、決済や送金に利用しやすいことが特長だ。今回の実証で利用する「JPYC」は、日本円と1対1で交換可能な日本円建てステーブルコインで、実店舗やEC、企業間送金などで活用が広がりつつある。

8月に都内ローソン2店舗で実証

実証実験は2回実施する。

  • 8月6日:ローソン高輪ゲートウェイシティ店(利用ウォレット:HashPort Wallet、利用コイン:JPYC)
  • 8月17日:ローソンゲートシティ大崎アトリウム店(利用ウォレット:MetaMask、利用コイン:USDC、USDT、JPYC)

いずれも対象者は関係者に限定する。

利用者はスマートフォンのデジタルウォレットに表示した支払い用バーコードをPOSレジで読み取り、決済情報をゲートウェイ経由でウォレット事業者と連携することで決済を完了する。ローソンは、POSシステムとの連携や精算オペレーション、決済時間などを検証し、本格導入の可能性を探る。

利用の流れは次の通り。

  • ローソン店舗に設置されているPOSレジのスキャン端末で商品バーコードを読み取る。
  • 利用者は自身のスマートフォンに表示させたデジタルウォレットアプリを起動。
  • ウォレット事業者は利用者の保有するステーブルコインの残高を表示。
  • 利用者は支払い用のバーコードをスマートフォンアプリに表示する。
  • スキャン端末でスマートフォンに表示させたバーコードを読み取る。
  • POSレジから商品金額などの決済情報をゲートウェイ事業者に送信。
  • ゲートウェイ事業者はPOSレジから受信した決済情報をウォレット事業者へ送信。
  • ウォレット事業者はステーブルコインの残高を確認し、取引可能の応答をゲートウェイ事業者へ返信。
  • ゲートウェイ事業者は取引可能である旨の電文をPOSレジに送信する。
  • ウォレット事業者はお支払い後のステーブルコイン残高をスマートフォンアプリに表示。
  • 利用者はスマートフォンアプリで決済の完了とステーブルコイン残高を確認

今回の実証には、デジタル資産関連サービスを手がけるHashPortとネットスターズが協力。決済ゲートウェイには、キャナルペイメントサービスのマルチコード決済ゲートウェイサービス「PAYTREE」を採用した。ローソンは8月中に追加の実証実験も予定しており、店舗におけるステーブルコイン決済の実用性を継続して検証するとしている。

「JPYC」の活用はEC・送金分野にも拡大

日本円建てステーブルコイン「JPYC」を巡る取り組みも広がっている。

日本円建てステーブルコイン「JPYC」を発行・運営するJPYCは4月時点でシリーズBラウンドの累計調達額が約46億円となる見込みで、実店舗決済、EC決済、企業間送金、国際送金への活用拡大を進めている。累計発行額は21億円超、JPYCを保有したことがあるウォレットアドレス数は13万7000を超えたとしている。

導入支援では、CAICAテクノロジーズが2025年11月に「JPYC」を活用した決済ソリューションの提供を開始。ECサイト向けに導入コンサルティングや決済モジュールを提供し、短期間でステーブルコイン決済を導入できる環境整備を進めている。

また、ガイアックスは2026年4月、「JPYC」を活用し、決済代行業者を介さず購入者と販売者が直接送金できるEC・フリマ向け決済インフラの受託開発を開始。決済手数料の削減や、売上金を事業者が一時的に預からない仕組みによる資金管理リスクの低減につながるとしている。

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