「トイザらス」がドンキ運営会社へ。日本トイザらスが民事再生手続きを申し立て、PPIHがスポンサー支援
日本トイザらスは10月1日、民事再生手続きの開始を申し立て、PPIHグループ関係会社への事業譲渡契約を締結した。店舗営業は継続し、今後は「ドン・キホーテ」などを展開するPPIHグループのもとで事業再生をめざす。
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日本トイザらスは10月1日、東京地方裁判所に民事再生手続きの開始を申し立て、同日付で監督命令および弁済禁止の保全処分を受けた。
また、「ドン・キホーテ」などを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)グループとスポンサー契約および事業譲渡契約を締結。譲受主体はPPIHの完全子会社でグループ各社のバックオフィス業務を請け負うオペレーションシェアードサービス(OSS)で、裁判所の許可などを前提に、10月30日の事業譲渡実行を予定している。

2007年をピークに業績悪化、8期連続の最終赤字
日本トイザらスは1991年に国内1号店を開店して以降、「トイザらス」「ベビーザらス」の実店舗とECサイト「トイザらス・ベビーザらス オンラインストア」を展開。会社発表によると、少子化を踏まえた事業転換の遅れや、EC企業などとの激しい価格競争を背景に売り上げが低迷したという。経費削減などに取り組んできたものの、売上減少に歯止めがかからず、自力での事業継続が困難になったとしている。
東京商工リサーチ(TSR)によると、負債総額は債権者1159名に対して132億2600万円。ピーク時の2007年1月期には約1943億6500万円の売上高を計上したが、その後は少子化やECとの競争激化で業績が悪化。2019年1月期に約33億6500万円の最終赤字に転落して以降、2025年12月期まで8期連続で最終赤字が続き、同12月期の売上高は約752億1100万円まで減少した。
希望退職の実施などリストラ策も講じたが、業績悪化に歯止めがかからなかったという。また、2017年9月には関係会社の米トイザらスもチャプター11(連邦破産法第11条)を申請していた。
PPIH、長期経営計画の成長戦略として事業を譲受
PPIHは日本トイザらスからの事業譲受を、2025年8月に策定した長期経営計画「Double Impact 2035」に基づく成長戦略の一環と位置付けている。
少子化が進む一方、国内玩具市場は拡大を続けているとし、「子どものための玩具」にとどまらず、IP・キャラクター、トレーディングカード、ホビーなどへ領域が広がっていると説明。さらに、「キダルト(Kid+Adult)」市場の成長によって、顧客層もベビー・キッズ・ファミリーから学生、若年層、大人まで広がっているという。
こうした市場環境を踏まえ、PPIHは競争優位性の源泉である非食品カテゴリーをさらに磨くことが持続的成長に重要と判断。トイザらスが持つ玩具分野の専門性とPPIHの店舗運営・販売基盤を掛け合わせ、玩具業界シェアNo.1のスケール実現をめざすとしている。
調達規模を拡大し、新商品・PB・限定商品などを強化
具体的には、調達規模の拡大によって新商品や売れ筋商品の安定供給を図るほか、仕入れ条件の改善を通じて価格競争力と収益性の向上を狙う。
主要玩具メーカーとの連携も深め、PB・OEM商品、限定商品、先行販売商品の拡充による差別化を進める方針。IP、キャラクター、ホビーなど、特定の「好き」を共有するコミュニティやスモールマスの需要を捉えた品ぞろえを強化する。ベビーカーや知育玩具など、新たな商品領域も広げる考えだ。
PPIHは、日本トイザらスが持つ専門性とブランド力を既存店舗に取り込むことで、新規顧客層の獲得と既存店舗の収益力向上につなげたいとしている。
158店舗の顧客接点を生かしLTV向上へ
顧客接点の面でも、日本トイザらスが持つ店舗網を生かす。2026年6月末時点で158店舗を展開しており、PPIHはベビー、キッズ、学生、大人、ファミリー、シニアまでライフステージに応じた接点を広げ、一生涯にわたる顧客関係の構築とLTV最大化につなげる方針を示す。
レジャー費用が高騰するなか、「見て・触れて・遊べる」リアル店舗ならではの体験価値を高める狙いもある。
トイザらスを「アソビ業態」へ。「買う場所」から「遊ぶ場所」に
PPIHは、トイザらスを単なる「おもちゃ屋」ではなく、「アソビ業態」へ再定義する構想も打ち出した。
IP商材やキダルト向け商材、玩具以外の関連商材も強化。リアル店舗ならではの体験価値や、コミュニティ・催事を通じて人が集まる場を創出し、「買う場所」から「遊ぶ場所」への転換を図る考えだ。
「3つの約束」で店舗・雇用・ブランドを承継
承継後の方針として、トイザらスが長年培ってきたカルチャーを守ることを前提に、「3つの約束」も示している。
1つ目は、可能な限り多くの店舗を承継・継続運営し、雇用を守ること。2つ目は、地域社会に欠かせないインフラとして、幅広い世代が安心して利用できる「新たな遊び場」へアップデートすること。3つ目は、子どもから大人まで「幸せなトイザらス体験」を進化させること。第1弾の取り組みとして、11月から全店でクリスマス企画を始めるとしている。
10月30日の事業譲渡を予定、店舗営業は当面継続
日本トイザらスでは、民事再生手続きの申し立て後も店舗営業を平常通り継続するとしている。商品品質や価格、サービス水準もこれまで通り維持し、顧客対応も続ける方針だ。
10月30日に予定する事業譲渡後は、OSSの事業として運営される見通し。ただし、全店舗の承継には賃貸人など契約先の同意が必要で、詳細な運営体制は現時点で未定としている。
雇用面では、日本トイザらスが従業員支援を最優先事項の1つに位置付けているほか、PPIHも可能な限り全従業員の承継をめざす方針を示している。PPIHによると、日本トイザらスの従業員数は2026年6月末時点で約3911人。
また、TSRによると、事業継続に必要な資金については三菱UFJ銀行から事業継続や再建のために行う融資であるDIPファイナンスを受けているという。
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