「Z-CRAFT」のロイヤルの再建に「ロコンド」のジェイドがスポンサーとして再生支援
靴や衣料品の通販サイト「LOCONDO.jp(ロコンド)」を運営するジェイドグループは10月15日、民事再生手続き中の「Z-CRAFT」を運営するロイヤルの再生を支援するスポンサー契約を締結すると発表した。
ロイヤルは5月27日、円安による仕入れコストの増加や、積極的な設備投資による借入金負担の増加などが経営を圧迫したことなどが原因で、東京地裁に民事再生法の適用を申請、同日付で保全・監督命令を受けた。負債総額は2024年8月期時点で93億1827万円。
ジェイドグループは、ロイヤルの仕入れルートや販売網の獲得がサービスの強化・拡充につながると判断。スポンサー契約の締結理由について次の7点をあげた。

- スニーカーを軸とする強固な海外仕入網
- Outdoor&Urbanセレクトショップ、Peace Park
- 楽天などの他社モールマネジメント
- 「猛暑でファッションが売れない!」他カテゴリー強化
- 東京・大阪・名古屋・福岡の卸営業体制
- 生産管理を強化する海外支社
- 物流の3PL営業機能の大幅強化
ジェイドグループは、ロイヤルのEC事業、店舗事業、卸事業、物流請負事業を引き継いだ新会社を通じて、「Z-CRAFT」の再生に着手する。ロイヤルはそれらの事業の権利義務を引き継ぐ新会社を設立。ジェイドグループはロイヤルとの間で株式譲渡契約を締結、新設分割の対価としてロイヤルに交付される新設会社の全発行済株式を取得する。譲渡価格は8億8200万円。クロージング日は2025年12月1日を予定している。
ジェイドグループは新設会社の全株式を取得した後、EC事業は売り上げが小さい一部店舗を閉鎖、選択と集中ならびに内製化を推進する。原則として既存店舗のすべてを継承する店舗事業は、赤字店舗や赤字見込み店舗を閉鎖。黒字店舗、「ロコンド」の店舗に変えることで黒字が見込める店舗、広告効果が高い店舗は運営を継続し、オムニチャネル戦略を推進する。
卸事業は開発商品やブランドの選択と集中を推進しながら、リーボックの卸販売も手がけることで売り上げと収益性を向上させる。物流事業は自社物流である藤原倉庫は譲受非対象とし、自社物流はジェイドグループに集約。桑名、岡山は承継し、3PL事業を強化していく。
ロイヤルはトータルファッションストア「Z-CRAFT」、スポーツストア「Z-SPORTS」、雑貨中心の「Z-MALL」を自社ECサイトや「楽天市場」などで展開。「楽天市場」の「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」(楽天SOY)常連店として知られ、「楽天SOY2023」では総合4位を受賞。「楽天SOY2005」から10年連続で「楽天SOY」を受賞したこともある。ロイヤルの2025年8月期における売上高は前期比19.9%減の91億2100万円だった。
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