ブレインパッドが公表した消費者購買行動における生成AI活用の実態調査のレポートによると、生成AIを活用して商品を探す消費者の約6割が「漠然としたニーズ」の段階からAI検索を開始していることが明らかになった。
生成AIの利用用途は「情報収集・調べ物」が75.6%でトップ。どのようなことについて情報収集や調べ物をすることが多いのかを聞いた質問では、「商品の購入をするための情報収集・比較」に生成AIを利用していると回答した割合が50%を占めた。
生成AIを活用した商品の購買検討の利用は「複数の商品のスペックや長所・短所を比較するため」が77.1%でトップ、58.4%が「漠然としたニーズ」が生まれたタイミングで生成AIを活用し始めている。次いで「購入前の疑問や不安な点を解消するための相談相手として」が53.3%だった。
生成AIの利用による購買行動の変化は、「今まで知らなかった商品やブランドに出会う機会が増えた」が60.1%、「実際に店舗やサイトにアクセスし、購入した」が46.6% という結果となり、生成AIが新たな購買機会を生み出していることが示された。
ブレインパッド プロダクトユニット プロダクト事業企画 リードPMMの中田一平氏は、今回の調査結果から消費者購買行動の変化について次の3点を指摘している。
- 情報過多の時代において、消費者は「最適な選択肢を対話によって提案してもらう価値」を重視
- 生成AIが従来の店舗販売員などが担っていた「信頼できるアドバイザー」の役割を獲得しつつあり、漠然としたニーズを精度高く捉え、商品情報に結び付ける技術が求められている
- 生成AIの活用が一般化するなかで、ECサイトやアプリにもAI機能が統合され、シームレスな購買体験の提供が必要となっている
あらゆるチャネルで、商品購入までのシームレスな購買体験を提供できるかがポイントになる。今後、生成AIがより高度化していくことが予期されるなかで、商品購買の検討に生成AIを活用することは、ますます一般的になっていくことが推察される。このような変容期において、企業やマーケターが「現在の消費者行動の実態」をデータに基づき正確に把握することは、従来の戦略や施策を再考し、効果的な顧客体験を設計する上で急務。(ブレインパッド中田氏)
調査概要
- 調査期間:2025年9月1日~9月4日
- 調査方法:インターネット調査(Knowns消費者リサーチ)
- 調査対象:国内10代~70代の男女(Knowns消費者モニター)
- 有効回答数:410