コクヨは、徳島県名西郡神山町で地域創生を目的としたECサイト運営の実証実験を開始する。地域のモノやコトを発信するECサイト「神山★Bambi Bon Bon Market(バンビ ボン ボン マーケット)」を11月28日に公開。持続可能な地域主導のマーケット・プラットフォーム構築をめざす。
実証実験では、地元中高生の居場所づくりを支援する「なんとなく集える場所ワカモノの店バンビ」を運営するバンビと連携し、ECサイト「神山★Bambi Bon Bon Market」を開設。サイトは「EC版道の駅」と位置付け、神山町産のすだちや梅の加工品などの「モノ」、地域ならではのイベント・体験プログラムなどの「コト」を取り扱う。
神山町の魅力に“共感”するだけでなく、購買や体験を通じて“共関”へと発展させる新たな関係構築をめざすという。ECサイトは、PROPELa(プロペラ)が運営する地域の物産・体験・情報を可視化し、その流通を支援するローカルECプラットフォーム「ものコトMarket」の仕組みを基盤として活用している。

ECサイトの公開に合わせて、11月28日と29日にコクヨ主催のイベント「CULTURE SNACK」へ出店。イベント来場者が会員登録すると、神山町名産のすだちなどをプレゼント(数量限定)する企画も実施する。リアルイベントとECサイトを連動させることで、神山町の魅力を多面的に発信し、購買以外の体験価値も高める。
実証実験の目標は、「EC会員数1000人の達成」と「神山町の10以上のサプライヤー参画による新たな経済価値の創出」。今後は会員やサプライヤーのフィードバックからECサイトの改修を進め、利便性向上に取り組む。また、神山町での成果を全国の自治体や地域拠点へ横展開し、持続可能な地域主導のマーケット・プラットフォーム構築をめざす。
コクヨは2021年に「長期ビジョンCCC2030」を策定し、「自律協働社会」の実現をめざしてきた。文具や家具にとらわれない事業領域の拡張を進めるなかで、神山町視察をきっかけに、2021年11月に私立高等専門学校「神山まるごと高専」へ企業版ふるさと納税制度で1億円を寄付。2023年の開校時にはプログラムパートナーとして授業も担当し、地域と連携した人材育成や社会課題解決に取り組んできた。
神山町・バンビ・PROPELaについて
神山町
徳島県北東部の山間に位置し、「創造的過疎」を掲げてクリエイティブ人材を誘致。移住者と地域住民が協働し、伝統と革新が融合する「地方創生の聖地」として知られる。
なんとなく集える場所ワカモノの店バンビ
地元の高校生や高専生、大人が自由に集い、交流する場を運営。ECサイトの収益を運営資金に充て、持続可能な拠点づくりをめざしている。
PROPELa
地域資源の需要と供給を可視化し、地域循環型社会の実装を支援するスタートアップ。自治体や地域事業者と連携し、ローカルマーケットやデジタルツールの開発を推進している。