価格は「売上を伸ばすために下げるべきか」「収益UPのために上げるべきか」。Amazonは「競争力のある価格設定に専念」
Amazonは、価格設定について短期的な利益の最大化ではなく、競争力のある価格の維持を重視する考えを示した。数千の小売事業者との価格比較や365日分の価格履歴表示を通じて、顧客との信頼構築につなげているという。
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米Amazonは、価格設定戦略について、短期的な利益の最大化ではなく、顧客に常に競争力のある価格を提供することを重視している考えを示した。数千の小売事業者の価格をリアルタイムで比較し、他店と同等かそれ以下の価格を維持することで、顧客の信頼獲得につなげているという。
この考え方は、Amazonのワールドワイド・ストアCEOであるDoug Herrington氏と、ワールドワイド価格設定・プロモーション担当VPのChrista Glenn氏が、6月23日にYouTubeで公開されたポッドキャスト番組「Learn and Be Curious」で語ったもの。

Herrington氏は、一般的な小売業の価格設定について、「売り上げを伸ばすために価格を下げるべきか、それとも利益を高めるために価格を上げるべきか」という"レバー"として捉えられがちだと説明。そのうえでAmazonでは、価格設定チームにそうした判断を求めるのではなく、「競争力のある価格を提供することだけに専念させる」という考え方を採っていると話した。
Glenn氏は、Amazonの価格設定の基本原則について、「幅広い品ぞろえ全体にわたって顧客に低価格を提供すること」にあると説明。「利益を最大化することは目標ではない。しかし、長期的にこの方針に投資することが顧客価値を生み出すと信じている」と語っている。
Amazonによると、数千の小売事業者の価格を比較し、顧客が買い物をするあらゆる場面で、他店と同等かそれ以下の価格を提示できるよう運用。また、その考え方を支える価格設定の原則は「非対称」に設計し、価格を引き下げることは容易でも、引き上げることは難しい仕組みにしているという。
価格の透明性を高める取り組みにも力を入れている。Amazonは、顧客自身が価格の妥当性を確認できるよう、商品の過去365日間の価格推移データを表示する機能を提供。Glenn氏は、「顧客は『お得だ』と言ってほしいのではなく、なぜお得なのかをデータで示してほしい」と説明している。
第三者調査でも、こうした価格戦略の成果が示されているという。Glenn氏によると、調査会社Profiteroの年次報告書では、Amazonは9年連続で最も低価格な小売事業者と評価されている。
Herrington氏は、「顧客に価格比較で苦労をかけたくない。顧客が価格を確認するたびに『Amazonなら同等か、それ以上に良い価格で買える』と感じてもらえれば、それが信頼につながり、再び買い物をしたいと思ってもらえる」と述べ、価格競争力の維持が中長期的な顧客基盤の強化につながるとの考えを示した。

