Amazonが紙袋での配送を開始、梱包の簡素化で資材削減と顧客体験を向上

アマゾンジャパンは梱包資材の削減とより良い顧客体験の提供を目的に、梱包の簡素化を拡大した

石居 岳[執筆]

2022年9月2日 9:00

アマゾンジャパンは、段ボール製の箱や封筒などで出荷していた日用品など一部商品を対象に、紙袋での配送を開始、梱包を簡素化した。一部の物流施設に専用のオペレーションを追加して実現した。

今後、紙袋での配送に加え、メーカーの梱包による配送を拡大していく。梱包の簡素化で梱包資材を削減、顧客による梱包の開封やその処理による手間を削減する。

アマゾンジャパンはこれまで、梱包の選定に機械学習を活用。商品のサイズに適した段ボール製の箱や封筒等を使用することで商品を保護しつつ、梱包を削減してきた。一部物流施設に追加した専用オペレーションは、商品を保護しつつ梱包資材の削減ができるように工夫した。商品保護の観点から、ギフトや危険物、壊れやすいもの、液体は、紙袋での配送は行わない。

メーカー梱包のまま配送する商品も拡大している。これまでも大型・中型商品の一部はメーカーの梱包のまま配送していたが、一部の小型商品などもメーカーの梱包のままで配送することを可能にした。紙袋による配送と同様、専用のオペレーションを経て出荷することで実現した。

壊れやすいモノや危険物、散乱しやすいモノ、メディア(本やCDなど)、ギフトやコレクター向け商品、顧客のプライバシーに関わる商品は、メーカー梱包のままの配送対象にはしない。今回発表した取り組みは、Amazonの独自配送網のみでの取り扱いになる。

アマゾンジャパンは梱包について、商品の保護、リサイクルのしやすさ、資材の削減が重要であると判断。すべてリサイクル可能な梱包材の開発や、資材の使用をさらに抑えるなど、梱包の削減に向けたイノベーションを続けている。2015年から、出荷時の梱包重量を38%、梱包資材を150万トン以上を削減した。

その他、Amazonと寄稿団体のGlobal Optimismは2019年、パリ協定よりも10年早い2040年までにネットゼロカーボン(温室効果ガスの排出量実質ゼロ)の達成を約束する「The Climate Pledge(気候変動対策に関する誓約)」を共同で立ち上げた。

Amazonは世界最大の再生可能エネルギーの購入企業であり、当初の目標である2030年よりも5年早く、2025年までに自社の事業を100%再生可能エネルギーで運営する取り組みを進めている。

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