石居 岳[執筆] 2023/2/6 9:00

帝国データバンクは、上場する食品メーカー主要195社における価格改定動向について調査を行った。

2023年1月31日までに決定した2023年中の飲食料品値上げ品目数は1万2054品目。上場する主要105社で1万482品目、非上場の主要90社で判明した値上げは1572品だった。このうち4月1日までの累計で1万品目を突破する。

帝国データバンクは、上場する食品メーカー主要195社における価格改定動向について調査 値上げ
食品の値上げ動向

2022年の値上げは1万品目到達までに約7か月を要したが、2023年は実施ベースで3か月早く到達する予定。前年と同じ時期(2022年1-4月:5573品目、対象計195社)と比べても倍増ペースで推移する。今後、春から夏頃にかけて1か月当たり2000~3000品目前後の値上げが常態化する可能性がある。

2023年の値上げは加工食品(6657品目)が最多で、チルド麺や缶詰製品のほか、ウィンナー製品の大規模値上げが予定されている。嗜好性の強い菓子(944品目)も、3月には最も多かった2022年9月の水準を上回る規模となる見通し。

クッキーやチョコレートなどが中心で、本体価格の引き上げのほかに内容量の減少による価格維持、つまり「実質値上げ」の傾向が目立つ。ドレッシングや醤油、ポン酢製品を中心とした調味料(2236品目)、焼酎や輸入ワイン・ウイスキーなど酒類を中心とした酒類・飲料(1810品目)が続いている。

品目数別にみると、加工食品が6657件、調味料が2236件、酒類・飲料が1810件、菓子が944件、原材料・パンほか407件となっている。

帝国データバンクは、上場する食品メーカー主要195社における価格改定動向について調査 値上げ 主な食品分野の価格改定動向
主な食品分野の価格改定動向

2023年の値上げ要因は、原材料高が99.5%で最多だった。それに続くのが原油高などのエネルギーが88.0%、プラスチック容器などの包装・資材が71.0%、物流が56.0%。

帝国データバンクは、上場する食品メーカー主要195社における価格改定動向について調査 値上げの原因
値上げの原因

2023年2月の値上げは加工食品を中心に5463品目で、前年同月(1420品目)に比べて3倍規模に達した。2022年以降の単月では最多の2022年10月(7864品目)に次ぐ2番目の多さで、2023年中では最多となる。

今後は、4月に控える輸入小麦の価格改定動向が注目される。小麦の国際相場はピークから下落しているが2021年に比べると高止まりの状態が続いている。改定幅次第では値上げの動きが比較的沈静化しているパンなどの製品価格に波及する可能性がある。

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