AIで仕事は速くならない!? 最後に残る「人間の問題」。AI導入の次は「組織改革」が必要になるかも?【ネッ担まとめ】
ネットショップ担当者が読んでおくべき2026年8月22日~9月25日のニュース
8:00
生成AIを使うことで、文章も画像もプログラムも驚くほど速く作れるようになりました。ところが、仕事全体が同じように速くなるかというとそうではなく、これまで見えにくかった「人間側の問題」が目立つようになります。今回の「ネッ担まとめ」では、AIを使ったWebサイトリニューアルの実体験から、AI時代に必要な「仕事の変化」について考えます。
AIが速くなるほど「人間」が重要になる
GPT-6 Astraと進めた、月曜日のトラのサイト改修日記 | 月曜日のトラ
https://tigermonday.com/media/experiment/ai-website-renewal-diary
月曜日のトラは、これまで継続してセミナーを開催してきました。その分、AIに渡せる材料がたくさんありました。データ基盤の図を描き直せたのも、私たち自身が説明してきた資料があったからです。セミナーのために作ったコンテンツを、今度はサイトの文章や図として活かす。提案資料やサービス紹介資料にも、同じように再利用できる知見があります。
コンテンツの二次利用がカギになる。AIが作る速さを活かすためにも、日々の仕事や発信で蓄積したものを、もう一度使える状態にしておく。その積み重ねが、自分たちらしいサイトを作る力になると感じました。
これがクライアントワークだったらどうでしょう。あるいは、同じ会社でもシステム部門と事業部のやりとりだったら。「一度持ち帰って確認します」「修正版は来週の定例で見ましょう」という流れは、AIを使っただけでは変わりません。修正そのものが10分で終わっても、確認が翌週なら、そこで一週間待つことになります。
もちろん、調査や制作が速くなる効果はあると思います。ただ、従来の確認サイクルのまま、今回と同じスピード感を再現できるとは思いません。AIが作業を速くするほど、人や組織が判断するまでの時間が、全体の進み方を左右するようになります。
(中略)
AIを使えば制作は速くなる。でも、その速さを仕事全体の速さに変えるには、人の関わり方や決め方、契約まで考える必要がある。自分のサイトを自分で作ってみたからこそ、次にクライアントワークで何を変えるべきかも、少し見えた気がします。
まさにこれから多くの会社で起こりそうなこと。
AIが10分で十分なアウトプットを出したとしても、「来週の会議で確認します」なら結局1週間かかる。承認、確認、意思決定といった「人間側の時間」が目立つようになるんですよね。仕事を速くするためには、AI導入するだけでは足りないわけです。仕事の進め方そのものまで変える必要がある。
AI導入の次に待っているのは、「組織改革」なのかもしれません。
要チェック記事
「店員が営業中に飲酒?」「記念撮影がまずダメ」…資さんうどん「乾杯動画」炎上に見る"とにかく批判したい人々"の恐ろしさ | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/958801?display=b
「怒りたい人」や「文句を言いたい人」は常にいて、いつもその対象を探しているんですよね。SNSなんていうのは安全圏から石を投げられる絶好の場。本人は書いたことすら忘れているでしょうね。
BtoBマーケティングに学ぶ「声がかかる人」になる方法 | note | しおり|複業キャリア部
https://note.com/spin_my_story_s/n/n616b5e3f2cd2
まさに、どの会社も個人事業の人もメルマガを定期的に配信した方がいい理由がここにあります。相手の「手持ちのカード」の1つになっておくこと。これが大切です。
10分でわかる!EC事業者のための「AIエージェントとは何か」普通のChatGPTと何が違う? | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog/archives/7704
坂本さんがわかりやすく解説してくれています。「AIエージェントって『ChatGPT』とか『Gemini』の総称じゃなかったの?」という人、まだまだ多いと思うんですよね。ここで読んでおくと安心です。
「1年半」のはずが「3年半超」に!? Web担当者Forumのサイトリニューアルが長期化したワケ | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2026/09/16/53246
Web担さんが「Web担」自体のサイトリニューアルをネタにしている記事なのでリアルです。ネットに詳しくてもノウハウや知見があっても、この規模だと3年くらいはかかるってことなんですよね。
生成AIの普及だけじゃない 「デザイン業の倒産」が前年同期比166%増になった意外な理由 | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2609/07/news075.html
なるほど。我々EC業界の人間だと「デザイン=サイトデザイン」のことを指すイメージがあるけれど、他の業界の「デザイン」もあるんですよね。会員記事ですが、要チェックです。
データで分かるのは良し悪しまで、ファーストビューの改善案を何を根拠に決めるか|月曜日のトラ
https://tigermonday.com/media/conversion-rate-optimization/fv-diagnosis-without-data
そうなんですよね。「データが見られる」ことは2番目で、大切なのは「何をすればいいか」。データはあくまで改善の成果指標です。改善しないとデータの価値があまりない。
今週の名言
メルマガ開封率は約20%→45%、制作時間は3分の1。生活用品メーカーのサンコーがAIで実現したEC販促改革 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/e/2026/09/09/16623
一番のポイントは制作にかかる時間の短縮です。工数としては3分の1くらい削減できています。「楽天市場」店に関しては開封率が倍以上に伸びている部分がありますけれども、大きく違うところは見出しの付け方、件名のところですね。(川口氏)
(中略)
今まで主力の商品は、開封率や転換率を見ながら見せ方を変えていましたが、それが準主力くらいまで手が回るようになってきました。「とりあえず画像を載せて売っている」という状態の商品にも、もう少し手がかけられるようになりました。(川口氏)
(中略)
一方で、サンコーはAIに任せる業務と、人が担う業務を明確に分けている。レビューや問い合わせは毎朝担当者が確認し、原則すべて返信している。AIは返信文案の作成を補助するが、送信前には必ず人が内容を確認する。「お客さまに一番評価してもらえていることは、やはりレスポンスの速さです」(川口氏)
AI活用というと、「人の仕事を置き換える」という話になりがち。でも、本当に価値があるのは、今まで「手が回らなかった仕事」ができるようになることなんですよね。
主力商品だけだった改善が準主力商品まで広がる。問い合わせへのレスポンスも速くなる。人が本来やりたかった仕事に手を回すためにAIを使う。
「AIに何をやらせるか」ではなく、「AIによって人は何ができるようになるのか」、こちらを考えることが成果につながるのかもしれません。
「新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ」は以下の専門家が連載しています。
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AIを活用することで簡単に何でも作れるように思えますが、品質を担保するためには「何を渡せるか」が重要なんですよね。
これまで作ってきた資料やコンテンツ、お客さまとのやり取りや日々のデータ。これら自社独自の情報が蓄積されているからこそ、AIを使ったときに「自分たちらしいもの」を提供することができる。
これまで以上に「蓄積」が会社の資産になるでしょうし、今までの「蓄積」がより生きる時代になったとも言えそうです。