通販新聞 2015/3/11 10:00

3月で開設2年目を迎えたリクルートライフスタイルの仮想モール「ポンパレモール」。課題としていた取扱商品数は計画を上回るペースで増加しており、出店数も前年比で2倍以上となった。モールの規模拡大において同社で最重視してきた取り組みなどについて、運営責任者の宮下俊プロデューサーに聞いた。

出店者数は2000店舗突破、商品取扱数は2000万点超え

――今年度を振り返っての手応えや成果は。

一番重視していた商品取扱数では、目標にしていた2000万点(開始時は150万点)を当初予定の今年3月よりも早い昨年12月で達成した。今年度末には2200万点までいく見込み。出店数でも昨年同期の900店舗の倍となる2000店舗を突破している。

また、取扱高も右肩上がりをつくっており、月次ベースでは10~20%増、年間では前年比3~4倍に成長した1購入当たりの平均単価も昨年の3000円から4000円まで増えた。さらに、スマートフォン比率を伸ばすことにも注力しておりトラフィックベースでは約5割、取扱高ベースでは3~4割になった」

――そのほかに力をいれたものは。

秋口くらいからユーザーをパーソナライズ化してコンテンツを出しわけるようにした。この2年間でデータもたまってきたので自社エンジンを使ってモールでの行動を解析してレコメンドするようにしている。メルマガについても同様にパーソナライズ化して、出す内容とタイミングの最適化を実施。これまでは男女別程度の分け方だったが、今では顧客ごとに関心のあるランキング情報を提示したり、購入周期を読んで販促をかけるようにして開封率が大きく上昇した

――出店者に対しての取り組みでは。

広告がない分、店舗が能動的に販促をかけらよう各店独自のクーポン付与機能を無料で取り入れた。また、流入経路や自社の店舗でよく見られている箇所などの顧客データも開示して分析しやすい環境を提供している

リクルートライフスタイルの宮下俊プロデューサー
宮下俊プロデューサー

――広告営業がないことで、他モールと比べて出店者とのコミュニケーションの機会が少なくなることはあるか。

基本的には店舗にいかに頑張ってもらえるかがモール全体の活性化において重要になると思う。その上で今では毎月100店舗のペースで新規出店があるので、フォロー担当者も毎月のペースで拡充している。フォロー担当者は店舗に対して戦略的な値引きの仕方、他店舗で成功した事例などを詳しく紹介する。過去にはメルマガで1商品に絞った訴求内容で成功した店舗の事例を提案し、他店舗でも同様の成果を出せたことがある」

――一部の出店者から流通総額など開示される数字が少ないため、モールの規模感が分かりにくいとの声も聞かれた。

「当然会社として具体的な数字は出せないが、対面の営業ではグラフの推移やおおよその規模感などを伝えられる範囲で説明している。我々の考え方としてもそれは隠してもいいことはないと思うので正直に伝えたい」

――今後の各仮想モールの展望について。

「(各モール同士で)取扱商品の同質化はどんどん進むと思う。多店舗展開向けのツールがたくさん出てきており、手間やコストはかなり減った。各モールで同じ出店者の同じ商品が並ぶとなれば、どんな販促があってどれだけ使いやすいのかということが出店者から選ばれるポイントになるだろう。同質化についてはまだ道半ばなのでそこはもっと注力していきたい

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