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NTTドコモの仮想モール「dショッピング」が順調に流通額を伸ばしている。巣ごもり消費増という追い風に乗りつつ、同社の携帯電話や独自クレジットカードの利用者をポイントやクーポンをフックに集客する施策が奏功していることに加えて、2020年夏からオールアバウトライフマーケティング(以下、AALM)とともに共同運営する形に転換したことを機に、ポイント付与率を高めたキャンペーンや出店事業者の販促支援策の強化、新規出店者の開拓の成功などが貢献し、大きく躍進を遂げている。

優良出店者のみを厳選し、質の良い安心安全なプレミアム仮想モールを堅持しながら、より高い成長をめざしていくという「dショッピング」の現状と今後の展開について、NTTドコモでコマース関連事業などを管轄するビジネスクリエーション部の田辺久美子ライフスタイルサービスコマース推進担当課長に聞いた。

巣ごもり需要増で流通総額が大きく伸長

――「dショッピング」の現状は。

NTTドコモは携帯電話会社だが、金融・決済、エンタテインメント、そしてコマースなど非通信分野もスマートライフ事業として注力しており、同事業の直近の売上高は6000億円規模まで成長し順調に伸びている。同事業の一環として展開している「dショッピング」も2013年のスタート以来、順調に成長してきたが、直近1年は特に(流通総額の)成長が著しい。前年対比でかなり大きく(流通総額を)伸ばしている。

――成長の理由は。

巣ごもり消費増が追い風となっていることは間違いない。それに加えてスタート当初から、闇雲に出店者を増やすのではなく、出店頂きたい優良事業者にお声がけさせて頂き、厳選された商品のみを販売する質の高いECモールをめざしてきた

「dショッピング」の中心利用者は30~50代で、さらに全国の「ドコモショップ」でスマートフォンの使い方を教えている「スマホ教室」でネット通販の利用方法をお伝えする際に、「dショッピング」をお薦めするなどでシニア層まで広い世代に利用頂いており、(競合仮想モールと比べると)利用者の年齢層が比較的高いこともあり、「安心安全に買い物ができるモール」という認識を利用者に持って頂けていることは大きいと思う。

安心安全という意味では毎月の携帯電話代金に支払いと合算して商品代金の決済ができるキャリア決済に対応しており、特にクレジットカードを持っていなかったり、クレカ決済に不安感を持つお客様にとっては買い物しやすいはずだ。これに加えて、同社全体で注力しているポイントやクレジットカードをフックにした販促および新規顧客獲得施策も「dショッピング」の成長に寄与している

通販新聞 dショッピング NTTドコモ ビジネスクリエーション部の田辺久美子ライフスタイルサービスコマース推進担当課長
NTTドコモ ビジネスクリエーション部 ライフスタイルサービスコマース推進担当課長の田辺久美子氏

「dポイント」「dカード」を活用した販促施策

――ポイントやクレカをフックとした施策とは。

当社では携帯電話の利用額や街のお店やネット通販での買い物額に応じて、進呈する独自ポイント「dポイント」を発行・運営しており、現状、dポイントを貯めたり、使ったりできる「dポイントクラブ会員」は約8000万人となっている。

先ほど申し上げたように携帯電話の料金に対してポイントが毎月、進呈されるため、ポイント発行量が多く、お客様にとっても貯まりやすい身近なポイントとなっている。このポイントの消費先の1つとして「dショッピング」を案内させて頂いている

近年、利用者拡大のために注力している当社のクレジットカード「dカード」の利用者を「dショッピング」に誘導していることも貢献している。「dカード」は利用額に応じて、「dポイント」を進呈したり、特に当社がプッシュしている上位カードの「dカードGOLD」ではよりポイント進呈率を高めたり、年間の利用額に応じて1万1000円または2万2000円相当のクーポンを進呈しているが、「dショッピング」でも利用できるようにしている。

テレビCMなどさまざまなプロモーションを強化していることもあり、「dカード」は約1500万枚、「dカードGOLD」は800万枚とこの数年で急激に発行枚数を伸ばしている。カード発行枚数の母数が増えることで、ポイントやクーポンを経由して「dショッピング」を利用されるお客さまが増えている。

AALMと共同でより良い売り場作りに注力 

――「dショッピング」の出店者も増えている。

「dショッピング」はこれまで当社単独で運営してきたが昨年7月に、資本業務提携を結んでいるオールアバウトの子会社のオールアバウトライフマーケティング(AALM)と一緒に運営していく形に変えた。これを機にAALMと共同でさらに「dショッピング」を成長させるためのさまざまな施策を本格的に始動したところだ。

その一環として、加盟店(出店者)の新規出店事業者の開拓も強化しており、1年前は60~70程度だった店舗を、昨年から今年にかけて月に4~5店舗ずつ厳選して増やし、現状は100弱まで増えた。加盟店を増やすことで品ぞろえが増したことでさらにお客さまが増え、(流通総額の伸びに)貢献しているのではないか。

――「dショッピング」上での各種販促キャンペーンも特に今年に入って増えた。

これもAALMと共同運営を開始して以降、実施している施策の一環でキャンペーンの内容や頻度なども見直し、よりお客さま、また加盟店(出店事業者)にとってよりよい売り場作りを進めており、着実に貢献してきている。

――どのようなことをしているのか。

dショッピング内の複数店舗で購入したお客さまにポイントを多く進呈する「買いまわりキャンペーン」や期間中に一定金額以上購入したお客さまにポイントを山分けする「山分けキャンぺーン」などさまざまな販促キャンペーンを実施する回数を増やし、種類と手数は増やしてきた。

大きなところではメインの販促キャンペーンである「dショッピングデー」の内容も改めた。従来まで毎月20日、すべての商品を対象に、合計4400円以上、購入した顧客へポイント進呈率を、2000ポイントを上限に一律通常進呈率(※110円につき1ポイント)の20倍にしていたが、9月からは毎月10日と20日の2回、実施し、ポイント進呈率も一律でなく、商品ごとに10・20・30・40倍とした。上限も5000ポイントに増やした。

通販新聞 dショッピング 10日と20日に実施するキャンペーン
毎月10日と20日に実施するキャンペーン

お客さまにとってはお得に購入いただける機会が増え、これまで以上にポイント還元率が増える商品もあり、メリットが高い。当社や加盟店側としても、キャンペーン回数を増やすことで来店動機を増やし、購入頻度向上が狙えるほか、ポイント進呈を「一律」ではなく、商品単位で10~40倍に設定できるようにしたことで季節商品や特定の記念日向けのギフト品など「今、売りたい商品」に高い倍率を設定できるようになり、販促施策として加盟店側の使い勝手もよくなったと思う。

――最大40倍というポイント還元は魅力だが、原資負担は。

10倍の原資はすべてこちらで負担し、20、30、40倍の場合は、加盟店に一部を負担してもらうことになるが加盟店側の負担割合は低く抑えている。また、高い倍率の商品についてはメルマガや「dポイントクラブ」などのドコモのオウンドメディアなどで告知するほか、商品一覧ページでも付与ポイントがアップしている旨を表記するなどしっかりと集客できるよう導線を強化しており、成果につながりやすいと思う。

これまでのキャンペーンも一定の効果はあったとは思うが、全品一律20倍のため、その中でお客さまに個別の商品を認知頂くのは難しい部分もあったと思う。今回の変更で旬のものや販売タイミングが限定的ものなど「今売りたい商品」を販売店がコントロールして推せるようになったことについて、加盟店側からもかなり、賛同の声を頂いている

通販新聞 dショッピングのサイト
「dショッピング」サイト

――加盟店側で売りたい商品をPRできるという意味では広告商品も重要だ。

先ほどのポイントキャンペーンと同様だが、今、売りたい商品を自分たちのコントロールで効果的にPRできる手段は必要だ。例えば「母の日」向けのギフト用商品などは特定の期間が勝負となりそこでしっかりと打ち出せないと厳しいわけで、広告についても同様だ。

これまでは運営主体でキャンペーン全体に誘導するバナーなどをドコモのオウンドメディアなどに露出することはあったが、加盟店側に提供する有償広告枠というのはあまり提供してこなかった。これをAALMと共同運営体制となったことを機に増やし、料金体系もなるべく加盟店側が活用できるよう、単価を抑えて、細かい単位で購入でき、必要であれば積み上げることもできる設計にしている

優良な新規出店者の獲得を強化

――「dショッピング」の今後の方向性は。

引き続き、各種キャンペーンの積極的な展開や内容の強化を進めつつ、さらに魅力的な売り場をめざすため、品ぞろえの強化、加盟店数のべースを増やしていきたい

優良な出店者、商品がそろっている質の高い安心安全なプレミアムモールという方針に沿って、例えば、コロナ禍もあり、需要が高まっているアウトドア用品やDIY関連、食品などのジャンルで優良な事業者にぜひ出店頂きたい。“厳選”しているからこそ、お客さまにとって安心安全であり、また、「他のモールよりも売り上げがあがる」と多くの加盟店から評価を頂けている。買い手売り手双方にとってよい売り場として拡大していきたい

当社としてもキャンペーンの強化や「dポイント」「dカード」の利用者を増やしていくプロモーションをさらに進め、増えた利用者を積極的に「dショッピング」へ誘導、集客することで加盟店の売り上げ拡大を強力にサポートしていきたい。

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