通販新聞 2014/10/17 7:00

仮想モールに20店舗以上を出店し、主にドロップシッピング方式でインテリア商品をはじめ衣料品、食品など幅広い商材を販売しているジェネレーションパス(本社・東京都新宿区、岡本洋明代表)。自社開発のマーケティングシステムを駆使して収集したビッグデータを基に、最適な販売計画を作り上げて売り上げを拡大し、9月24日には株式上場(東証マザーズ市場)も実現した。今後の展望について岡本代表に話を聞いた。(聞き手は通販新聞記者・山﨑晋)

マーケティングのシステムとノウハウが一番の力

ジェネレーションパスの岡本洋明代表
岡本洋明代表

――今回の上場の経緯とその目的とは。

「最大の目的は取引先企業に対しての『信用』。国内の有名企業と取り引きするためには、きちんと『上場』してオープンな形にしたかった。また、最近では海外の企業からの問い合わせも多く、信用力の高い日本の証券市場に上場することで更に信頼を得てもらう」

――上場を機に取引先が拡大するのか。

「現在250社と70万アイテムの取り引きがあるが、年内には300社・100万アイテムの規模になるだろう。商品ジャンルが偏らないのが当社の強みなので、何か特定のジャンルだけを拡充するわけではない」

「また、上場資金でシステムを強化する計画もある。人材獲得をはじめ、他のシステム会社との業務提携・資本提携も考えている。自社開発のマーケティングデータシステムの『MIS』が全商品の1%ぐらいにしか対応していないので、年内中にこれを10%ぐらいにまで引き上げたい」

――自社システムの内容と活用方法は。

「当社はマーケティングのシステムとノウハウが一番の力。従来のネット販売企業とは異なり自社の会員組織や商品がない。会員を保有する企業だとあくまでもその会員に対して商品を販売するということが主目的になる。当社は提携先(取引先)の企業の商品をいかに適したマーケットに出して販売していくかが主眼になる」

「『MIS』は自社店舗だけでなくウェブ全体からマーケティングの基礎となるビッグデータを収集して分析などを行うシステム。日々変化する情報の中から収集したデータを基にネット上で売れている商品ジャンル、使用画像・テキスト、価格、消費者からの評判などを自動で収集・分析する。その結果を基に商品ごとに適した売り場を選択して、ページ制作や価格など各種条件を設定して販売。日々その設定も変化させながら最良の販売結果に結びつけている」

――多店舗展開はデータ収集で効果がある。

「現在、複数のモールに25店舗を出店している。多店舗展開することで商材によってそのモールごとでマーケティングのやり方を変えられるメリットがある。例えばこちらのモールではポイント施策をとり、あちらのモールでは配送を重視、またあるモールでは画像での見せ方に注力するというもの。これがAB分析になってどの売り場に一番アクセスがあるかが分かり、最終的に最適な売り場を決めて広告投下して集客・購買までつなげられる」

――多店舗展開でのデメリットなどは。

「モールごとにインフラが違うので各店舗での受発注業務がすべて変わる。多くの取引先から複数ジャンルの商品を多店舗で扱っているので、その業務を人の手でやると当然受発注コストは上がる」
「しかし、昨年末から『GPMS』という複数のモール店舗や取引先に対応できる受発注処理の自動管理統括システムを自社で開発した。これにより受発注担当が10人から3人まで減りコストを抑えることができた」

――今期の計画は。

「2013年12月期の売上高は前年比約29・4%増の36億7000万円。今期の計画としてはとりあえず売上高を同25%増の46億円という数字にしている。また、今後は当社のマーケティング技術を生かした企業のネット販売サポート事業を強化したい。単純にビックデータを扱ってデータ分析した結果だけを提供するのではなく、結果に基づく検証を行っているのでその成果までを提供していく」

――今後のネット販売市場の展望をどう見るか。

「ネット販売市場は(初出店した)08年頃と比べて現在は倍以上になっており、今後も毎年15%ずつぐらいのペースで拡大し続けるだろう。取扱高で3兆円ぐらいの市場が毎年それだけのペースで伸び続けるのであれば、マーケティングをサポートする当社としてはその取扱高の10%くらいと何らかの関わりを持ちたい」

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