通販新聞 2015/3/12 8:00

米ブルーフレームLLCが手がけるオーダーメードシャツの通販サイト「オリジナルスティッチ」が米国や日本で会員数を伸ばしている。

同社によると、日本のメンズドレスシャツ市場は約2500億円で米国に次ぐ大きなマーケットだが、オーダーメードシャツの市場は80億円程度と一気に小さくなる。しかも、テーラーや百貨店などでオーダーメードシャツを仕立てるのは50歳以上が大半で、働き手人口の減少傾向もあって市場拡大は見込めないという。

そんな日本市場に上陸したブルーフレームLLCだが、同社は日本の大手シャツメーカー、フレックスジャパンと提携してメード・イン・ジャパンの高品質なワイシャツやカジュアルシャツをウェブで受注。オーダーメードでありながら中間流通を省くことで安価(8000円前後)に販売できるため、従来のオーダーメードシャツ利用者ではなく、25歳~50歳までをターゲットに「まったく新しい市場を開拓する」(ジン・コウCEO)戦略だ。

通販サイト「オリジナルスティッチ」は2013年12月に米国でスタートし、14年4月には日本でも事業を展開。日本版のサービス運営はスマホアプリ開発のインスプラウトが担っており、2月中旬時点の会員数は日本が2万5000人、世界では8万人に上る。

サイトは3Dでシャツの出来上がりをイメージしやすくしており、選べる生地は約300種類。受注後約3週間で商品を届け、送料は無料だ。

スタート時は首まわりと裄丈、胸囲、ウエストの4カ所を入力するイージーオーダーのみだったが、今年1月にはフルオーダーに対応。着丈と肩幅、裾まわり、上腕まわり、カフスまわり(左・右)、フィット感(スリム、ややスリム、レギュラー、ややルーズ、ルーズから選択)を加えた10カ所を採寸することで、よりフィットするシャツを届けるとともに、リメーク(作り直し)率の低減につなげている。

最近では、採寸の手間を省いて自分の身長や体重などを入力すると、ビッグデータを活用して平均的なサイズを割り出すオートサイズメニューも追加した。

それでもオーダーシャツに不安を感じる消費者のために、「オリジナルスティッチ」ではサイズが合わなかった場合、最初に届けたシャツの返品は不用とし、無料で一着、作り直している。

また、昨年9月には、さまざまなシャツを自分好みにデザインできるプラットフォームを生かし、通販サイト内にデザイナーショップのページを開設(画像)。誰でも同サイトでデザインしたシャツを出品でき、サイト訪問者がデザイナーショップのシャツを購入すると、出品者に売り上げの12%が手数料として支払われる仕組みだ。現在、当該ページには約230ショップが合計1600スタイル以上のシャツを展開している。

米ブルーフレームLLCはデザイナーショップのページを開設

デザイナーショップの立ち上げにより、DIYのように自分自身で一からシャツをデザインして購入する楽しみに加え、時間がない消費者などは他のユーザーのデザインから選んで買える利便性も高まった。

「オリジナルスティッチ」の開設から約1年2カ月。同社では簡単、低価格、高品質を武器に、オーダーメードシャツで新たな客層を開拓しており、実際、主要顧客層は30~35歳と若い。また、今年1月までの1年間で再購入率は約23%だが、リピーターの売り上げが全体の48%を占めるなど、まとめ買いの傾向が高いようだ。

今年の展開については、メジャーを使っての採寸だけでなく、オンライン上で可能な自動スキャニングなど新たなサイジング技術を計画する。また、高級生地などを展開するのに当たり、オフラインの企業と提携することで、実店舗で生地の手触りを確認できたり、店員が採寸を行うことも視野にあるようだ。

同社では、15年中をメドに米国、日本、英国のメンズシャツ3大市場でそれぞれ50%以上のシェア獲得を目指すほか、3年以内に世界で年間50万枚の販売、売上高40億円を目標に掲げる。その際、提携先のフレックスジャパンはアジアにも日本水準の生産拠点を持つため、受注量が大幅に増えても品質を維持しながら大量注文に対応できる強みが発揮できるとしている。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

→ 年間購読を申し込む(通販新聞のサイト)
通販新聞の過去記事を読む(通販新聞のサイト)
→ 通販新聞についてもっと詳しく知りたい

この記事が役に立ったらシェア!
これは広告です

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
ecbeing.
[スポンサー]