Criteo、電子メールによるリターゲティング広告「クリテオEメール」を今夏にも日本でも開始へ
仏ネット広告配信事業会社の日本法人、クリテオは今夏にも電子メールによるリターゲティング広告サービスを開始する。広告主などから提供を受けたメールアドレスの保有者が広告主サイトにアクセスした際の行動を分析。その後、当該ユーザーにとって興味関心が高そうな商品・サービスを紹介する電子メールを送信、購入を促す。すでに展開し実績を上げる同社のバナー型リターゲティング広告のメール版と言え、注目を集めそうだ。通販事業者を中心に導入企業を獲得していく考え。
電子メールによるリターゲティング広告「クリテオEメール」は昨年2月に同社が買収したフランスのネット広告配信企業の「テデミス」のサービスをベースにクリテオの技術を組み込んだメール広告ですでに欧州では展開し効果をあげているようだ。日本でも準備が整い次第、早ければ7月にも開始する。
同広告はあらかじめ登録しておいたメルアドの保有者が広告主のサイトに訪れた際、どのようなページを閲覧していたか、などサイト内での行動履歴を分析。後日、来訪時に閲覧した商品や関連商品の画像や説明文を表示した内容の電子メールを送信、商品購入やサイトへの再訪問を促す。
メール広告送信先は広告主が保有する顧客のメルアドをクリテオ側に暗号化して提供する形と“懸賞メール”のようなコマーシャルメールの配信業者と組んで当該業者が保有するアドレスを使用する形があり、既存客へのアプローチや見込み客獲得など目的に応じて広告主側で選択する。広告料金は未定だがクリック課金モデルとする模様。
メールマーケティングは商用メールのスパム化などで効果は下がりつつあるが、「クリテオEメール」の場合、ユーザーが閲覧した商品の紹介など興味関心の高い個々にパーソナライズされた内容を送信するためスパム化しにくいという。また、受け手側で配信を中止できる形としており、配信中止数などを分析し「送信先の精度や適切な送信頻度などを分析し、最適化していく」(日本担当マネージングディレクター・鈴木大海氏)ことで、効果を最大化させていく。「メールマーケティングを行っている事業者は多いがテキスト作成や興味別の配信など手間がかかる。これらを完全に自動化し、かつ効果的な内容のメールを送ることができ需要は高いはず」(同)とし、通販事業者などを中心に導入企業の獲得を進めていく模様。
クリテオは広告主のサイトで商品を閲覧した人に当該商品の写真や情報を瞬時に広告に挿入し、リターゲティングを行うディスプレイ広告を展開し、高い費用対効果から通販事業者を含む多くの広告主を獲得している。「クリテオEメール」はそのメール版と言えるもので新たな形のリターゲティング広告として注目されそうだ。
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