グローバル売上30億円をめざすI-neの中国法人が米原料メーカーと共同研究室設立【中国市場の取り組みまとめ】
I-neの中国子会社「艾恩伊(上海)化粧品有限公司」は、米国大手原料メーカーのTRI-K Industries,Inc.と共同研究室「Hair Research&Innovation Lab」を中国・上海に設立した。TRI-Kと製品を共同開発する。
まずは共同開発したヘアケア製品を、アリババグループが運営する大手ECモール「Tmall(天猫)」、中国のバイトダンス社が運営する中国版Tik Tok「Douyin (抖音)」で7月に発売。こうした取り組みを含め、中国を含むグローバル売上高を2025年12月期までに30億円まで拡大する。
成分、機能性を重視する中国人に合った商品開発
「Tmall」「Douyin」で発売する共同開発製品は、髪のダメージを補修する独自成分「ProteinLock」を配合した「ボタニカルヘアマスク」。「スムース」タイプと「ダメージリペア」タイプの2種類を展開する。
TRI-Kは7つの製造工場と3つの研究センターを保有し、タンパク質開発に関する豊富な知見がある。I-neの主力ブランド「BOTANIST」は植物由来タンパク質をキー成分として配合しており、共同研究室で継続的に成分をアップデート。機能性の高い商品開発につなげる。
中国市場は成分や機能性を重視する生活者が多いため、共同開発で「BOTANIST」の優位性を発揮するとしている。
中国市場を攻略するI-neの取り組み
I-neは2020年7月、上海の現地法人として艾恩伊(上海)化粧品有限公司を設立。「BOTANIST」「YOLU」美容家電ブランド「SALONIA」を販売している。
なかでもナイトケアビューティーブランド「YOLU」は、中国では「おやすみシャンプー」の愛称で認知が広がっており、売り上げは堅調に推移しているという。
「YOLU」は2023年3月から越境ECを「Tmall」「Douyin」で展開。2023年5~6月の「618セール」では、「Douyin」の「輸入シャンプー/トリートメント売上指数ランキング」カテゴリーで売上1位となった。
中国市場で「YOLU」の認知が拡大している背景には、次の施策の成功が理由にあげられる。
- 中国でも「夜間美容」という新たな市場を創出
- ローカライズしたコミュニケーション戦略
- 中国国内外のインフルエンサーを戦略的に活用したライブコマース:日本在住の外国人が勧めるシャンプーとして人気が拡大
ヘアケアは売上335億円を計画
I-neは、2025年12月期を最終年度とした中期経営計画では、売上高550億円、売上高営業利益率13%をめざす方針を掲げている。商品ラインアップのなかでも主力となるヘアケア系のカテゴリーは売上高355億円を計画している。
中国を含むグローバルの売上高は2023年12月期に15億円。それを2025年12月期までに30億円まで拡大する。