【2025年の景気見通し】回復は7.7%、踊り場は41.7%。懸念材料は「原油・素材価格」「人手不足」「物価上昇」「為替」

急速な円安による原材料費の高騰、食料品・生活必需品の値上げなどによる個人消費の伸び悩み、多方面での人手不足が景気の下押し要因となっている。

松原 沙甫[執筆]

1月6日 10:00

帝国データバンクが実施した「2025年の景気見通しに対する企業の意識調査」によると、2025年の景気見通しが「回復」局面になると見込んでいる企業は7.7だった。2024年の景気見通し(2023年11月調査)から5.1ポイント減。5年ぶりに10.0%を下回った。

「踊り場」局面は同0.4ポイント減の41.7%と2年連続で40%を超えた。「悪化」局面と回答したのは23.9%で、26.7%は「分からない」と回答している。

企業規模別では、「悪化」局面と回答したのは大企業が17.4%、中小企業は25.1%、小規模企業は28.1%。企業規模が小さいほど厳しい見通しを示している。

業界別では、金融が唯一「回復」局面で2ケタ(10.1%)。「小売業」は「悪化」局面と回答したのは31.7%だった。

帝国データバンクが実施した「2025年の景気見通しに対する企業の意識調査」
2025年の景気見通し

2025年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料を複数回答で聞いたところ、「原油・素材価格(の上昇)」が前年比12.8ポイント減の46.2%。「人手不足」が同1.1ポイント増の41.6%、「物価上昇(インフレ)」が同4.8ポイント増の31.5%、「為替(円安)」が同6.7ポイント減の30.7%で続いている。

大幅にアップしたのは、「金利(の上昇)」が同6.3ポイント増の24.1%。米大統領にトランプ氏が就任することによる政策転換への不安感などから「米国経済」が同11.2ポイント増の17.1%だった。

帝国データバンクが実施した「2025年の景気見通しに対する企業の意識調査」
2025年の懸念材料 (上位10項目、3つまでの複数回答)

景気が回復するために必要な政策を複数回答で聞いた結果、「人手不足の解消」が同0.2ポイント減の40.5%でトップ。「個人向け減税」が39.6%、「中小企業向け支援策の拡充」が35.8%、「個人消費の拡大策」が33.7%と続いた。

帝国データバンクが実施した「2025年の景気見通しに対する企業の意識調査」
今後の景気回復に必要な政策 (上位10項目、複数回答)

調査期間は2024年11月18日~30日。対象は全国2万6880社で、有効回答企業数は1万939社(回答率40.7%)。

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