総合ホビーショップ「駿河屋」が公表した静岡を「ホビー・コンテンツの世界的聖地」へ変革するビジョンとは
駿河屋が、静岡を「ホビー・コンテンツの世界的聖地」へと変革するビジョンを打ち出した。2030年までに500人を採用する方針を掲げ、越境ECや推し活ツーリズム、人材育成を通じて地域活性化をめざす。
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総合ホビーショップ「駿河屋」を運営する駿河屋が、静岡を「ホビー・コンテンツの世界的聖地」へと変える構想を打ち出している。
9月18日に実施した事業戦略発表会で、アニメ・コミック・ゲーム・エンターテインメント(ACGE)領域を軸に、静岡をグローバル拠点へ育てる戦略ビジョン「UPDATE SHIZUOKA 駿河屋が貢献するオシノミクス」を発表。2030年までに、グローバル推進メンバー500人を採用する方針も明らかにした。事業戦略発表会には静岡県の鈴木康友知事、静岡市の難波喬司市長もゲストとして登壇した。

若者の県外流出と「静岡で世界を相手に働ける環境」の創出
背景にあるのは、静岡県の人口流出、とりわけ若年層の県外流出に対する危機感だ。駿河屋は、2025年の静岡県の日本人転出超過数が7919人と全国最多だった点をあげ、若者が地元で将来のキャリアを描きにくい現状があると指摘。一方、静岡県はプラモデル出荷額で全国シェア86.8%(2023年)を占めるなど、ポップカルチャー産業の集積地としての強みを持つ。
こうした地域資源と、海外市場で拡大する日本コンテンツの成長性を組み合わせ、「静岡にいながら世界を相手に挑戦できる仕事」を生み出す考えだ。
「推し活ツーリズム」で静岡への人流を創出
「UPDATE SHIZUOKA」の取り組みは、大きく3つの柱で構成する。
1つ目は、「推し活ツーリズム」の推進だ。静岡市にある「駿河屋 本店」を、“見る・遊ぶ・買う”がそろう体験型旗艦店として聖地化。越境ECを通じて駿河屋を知った海外ファンをリアル店舗へ呼び込むOMO戦略を進める。
国ごとに異なる人気コンテンツへの需要を捉えながら、特定の国に依存しない持続的な観光・回遊需要の創出を狙う。また商店街や地域観光との周遊施策も展開し、静岡全体への送客につなげる考えだ。
2030年までに500人を採用、初任給は30万円に
2つ目は、人材育成と雇用創出。2030年までに、検品・真贋鑑定のプロフェッショナルやグローバルオペレーションなどの領域で500人を採用する計画だ。あわせて、高卒を含む新卒初任給を30万円に引き上げる。
駿河屋は7月に奨学金返還支援制度も導入。返還額に応じた手当を3年間で最大184万円支給するほか、制度対象外の社員にも同額のスキルアップ手当を設ける。若年層の経済的負担を和らげながら、静岡で働く魅力を高める施策と位置付ける。

メルカリと連携、3000万点のSKUデータやAIを活用
3つ目は、グローバル展開の強化だ。駿河屋はメルカリとの提携を通じて、世界中から日本のホビー・コンテンツへアクセスできる流通基盤づくりを進める。3000万点のSKUデータやAI技術を活用した越境EC・コンテンツ輸出を強化し、静岡から世界へ向けた展開を加速させる。
「第二創業」で静岡の若者定着をめざす
駿河屋の杉山綱重社長は、静岡で創業28年を迎えた同社が「第二創業」に挑むと説明。若者の流出が進む地元への恩返しとして、「東京以上に魅力的で、世界を相手に誇り高く働ける企業」を静岡につくるとした。

その実現に向け、行政、自治体、教育機関、金融機関、地域企業、メディアなどと連携し、「若者定着モデルの共同設計」「推し活ツーリズム」「コンテンツコラボレーション」を推進するパートナーを広く募集している。
自治体との共創テーマとしては、奨学金返還支援や移住補助金の共同設計、推し活ツーリズムの周遊コースの共同開発などを想定。教育機関向けには、職場見学会やインターンシップの受け入れなどを予定している。

