メルカリと、エンタメ・ホビー分野のリユース品販売などを手がける駿河屋は12月18日、資本業務提携契約を締結したと発表した。
メルカリの越境ECを含むグローバル展開やAIなどのテクノロジーと、駿河屋が長年にわたり蓄積してきた商品カタログデータ、在庫、国内外の店舗網、真贋鑑定力を連携。日本最大級の品ぞろえと安心・安全な取引環境の構築をめざす。
さらに、オンラインとオフライン店舗を融合させた「グローバルOMO(オンライン・オフライン連携)」を推進。エンタメ・ホビー商品の流通のほか、日本ならではのリユース文化や多様な商品を通じた体験価値を世界へ届け、新たな価値循環を創出する。
メルカリは2019年から越境EC事業を本格化し、グローバル展開を加速してきた。現在、エンタメ・ホビー領域は越境取引全体の6~7割を占めるなど、成長の中核分野になっている。駿河屋は、国内外に152店舗を展開し、数千万点規模の在庫と約3000万件の商品カタログデータ、長年培った真贋鑑定ノウハウを有する。フィギュアやトレーディングカード、アニメグッズなど幅広い分野で高い専門性を持つ点が強みだ。
アニメ、ゲーム、漫画、キャラクターグッズといった日本文化は世界的に高い評価を受け、関連市場も拡大を続けている。一方で、グローバル市場では正規流通や安心して購入できる環境が十分に整っていない地域も多いという。メルカリと駿河屋はこうした課題に対し、それぞれの強みを掛け合わせることで、日本最大級の品ぞろえと高い信頼性を備えた取引基盤を構築し、世界中に届ける新たな流通モデルの確立をめざす。
主な提携内容は次の通り。
日本最大級のエンタメ・ホビー品ぞろえの実現
メルカリのマーケットプレイス上で駿河屋の全商品を連携し、エンタメ・ホビー領域で国内最大級の商品数を実現する。駿河屋の公式ECサイトは「駿河屋.jp」と「メルカリ駿河屋店」のみとし、両サービスで同一価格・全商品を購入できるようにする。
グローバル市場での販路拡大とOMO強化
メルカリのグローバルアプリ上で駿河屋の公式ECサイトを展開し、世界中の顧客が商品を購入できる環境を整備する。加えて、メルカリと駿河屋のアセットを活用し、日本のエンタメ・ホビーカルチャーを発信する旗艦店を国内外で展開。オンライン(メルカリ/越境EC)とオフライン(駿河屋店舗)を連携させた、グローバル規模のOMOマーケティングを推進する。
AIとカタログデータの融合による安心・安全な取引環境の構築
駿河屋の3000万件超の商品カタログデータと、メルカリのAI技術を連携。真贋鑑定ノウハウを活用し、偽造品の排除や適正流通を国内外で推進することで、安心・安全な取引環境の実現を図る。
駿河屋の強みとメルカリのAI技術や越境EC基盤を掛け合わせることで、新しい信頼モデルを築き、日本のリユース文化や多様な文化的魅力を世界に届けたい。(駿河屋 杉山綱重社長)
駿河屋の在庫・カタログデータ・鑑定力と、メルカリのテクノロジー・越境EC基盤の融合で、世界中のお客さまが日本のエンタメ・ホビー商品を安心して購入できるデファクトスタンダードをめざす。(メルカリ執行役員 CEO Marketplace 迫俊亮氏)
メルカリは今回の提携を起点に、オンラインとオフラインを連携させた新たな循環型リユースモデルを推進。まずはエンタメ・ホビー領域での取り組みを深化させ、将来的には他の商材カテゴリーへも展開し、日本の多様な文化的価値を世界へ届ける基盤作りを進める方針だ。
駿河屋もメルカリの開発力やオンラインサービス運営力を活用し、信頼性の高い取引環境を整備。ボーダーレスで安全な商流を確立し、世界規模でのエンタメ・ホビー商材の循環と事業拡大を進めていく。
「メルカリ×駿河屋」による連携を通じ、日本文化を世界へ発信し、オンラインとオフラインをつなぐ世界最大級のエンタメ・ホビー流通網の構築をめざす。
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