オリックスが健食・化粧品通販大手のDHCを買収へ

ディーエイチシー(DHC)の2022年7月期の売上高は前期比0.5%増の905億3100万円、営業利益は同52.5%増の166億7600万円。営業利益率は18.4%

石居 岳

2022年11月14日 7:30

オリックスは化粧品・健康食品の通販事業などを手がけるディーエイチシー(DHC)を買収する。

DHCの創業者で大株主である吉田嘉明氏と株式譲渡契約を締結。DHCの株式を譲り受ける基本合意に達したと11月11日に発表した。

DHCは通信販売以外に、直営店舗やコンビニエンスストア、ドラッグストアなど、幅広い販売チャンネルで化粧品や健康食品などを販売。通販をメインにビール事業、リゾート事業、出版事業、教育事業なども手がける。

直近となる2022年7月期の業績は、売上高が前期比0.5%増の905億3100万円、営業利益は同52.5%増の166億7600万円、経常利益は同53.8%増の176億2400万円、当期純利益は同76.7%増となる96億1500万円だった。

ディーエイチシー(DHC)の直近業績(売上高、営業利益、経常利益、当期純利益)
DHCの最近3年間の業績推移

オリックスはDHCの発行済株式総数の過半数を取得する見込みだが、取得株式数や投資額は確定次第、発表するとしている。現在、DHCの代表取締役会長兼社長である吉田氏は、株式譲渡完了後、退任する予定だ。

化粧品および健康食品は、人々の健やかな暮らしを支える役割を担っており、コロナ禍を経て健康意識が高まる中、今後も安定した需要が見込まれている。

オリックスは、医療機器販売会社のイノメディックスや製薬会社の同仁医薬化工への出資などを通じてヘルスケア事業に注力しており、DHCの買収はオリックスグループにおける同分野のネットワーク拡大に寄与するとしている。

DHCは1972年に委託翻訳業務で創業。DHCは大学翻訳センターの略称とされる。通販をスタートしたのは1983年。2022年には通販会員が1569万人を突破した。

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