ユーグレナがキューサイを連結子会社化へ。「ミドリムシ」と「青汁」のコラボがめざすことは?
ユーグレナ、投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ、大手総合リースの東京センチュリーの3社は12月15日、共同出資する特別目的会社Q-Partners(QP)を通じ、青汁通販で知られるキューサイの全株式を取得すると発表した。
キューサイの全株式を保有するコカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(CCBJH)と合意、株式譲渡契約を締結した。2021年1月29日付で株式譲渡が実行される予定。
アドバンテッジパートナーズのファンド(APファンド)、ユーグレナ、東京センチュリーからの共同出資、銀行借入による現金を対価として、QPがCCBJHの保有するキューサイの全株式を取得する。
QPへの出資比率は、APファンドが67.22%、ユーグレナが12.84%、東京センチュリーが19.94。株式取得から1年以内をめどに、ユーグレナがQPへの出資比率を最大49%まで高め、キューサイを連結子会社化する予定。
キューサイの資本金は3億5000万円。2019年12月期業績は、売上高が249億6800万円、営業利益は27億8300万円、経常利益は26億9400万円、当期純利益は13億円。健康食品や化粧品の老舗通信企業で、約37万人の通販顧客を抱える。コカ・コーラ ウェスト(現CCBJH)による買収でCCBJHの傘下に入ったのは2010年。その後、ブランド刷新、2020年には「キューサイ医薬堂」を立ち上げ、医薬品の通販事業を開始している。
通販でのシナジーをめざすユーグレナの2020年9月期連結業績は、売上高が133億1700万円、営業損失18億700万円、経常損失14億5700万円、当期損失14億8600万円の赤字決算だった。このうち、直販による売上高は96億9100万円となっている。独自素材である微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)などを活用した健康食品、化粧品の通信販売を軸に成長を遂げてきた。
CCBJHは2010年のキューサイ買以降、キューサイの持続的成長と企業価値最大化をめざし、ブランド刷新などを行ってきた。ヘルスケア・スキンケア事業の次のステージでの成長をサポートするには、AP、ユーグレナ、東京センチュリーが構成するパートナーへの譲渡が最適だと判断したという。
今後、キューサイはAPと東京センチュリーが有する経営改善・PMI(企業合併後の統合プロセス)のノウハウを活用。商品ラインアップの拡充やブランディングを強化し、ユーグレナの有するデジタルマーケティングのナレッジを活用して事業規模の拡大をめざす。
キューサイの中心顧客はシニア層で、ユーグレナは40代後半から60代女性がメイン顧客。キューサイはユーグレナとの連携で、プレシニア層まで顧客層を拡大する。ユーグレナグループは、若年層からシニア層までを網羅的にカバーし、消費者のサステナブルな健康を実現するヘルスケア企業グループをめざす。