家電EC専業大手のエクスプライスをDCMホールディングスが買収

ECに強みを持つエクスプライスとリアルに強みを持つDCMホールディングスグループの連携で、EC事業のリアル店舗活用や相互送客、非家電領域での商品ポートフォリオ拡充、物流のスピードアップとコストダウンなど、さまざまな事業上のシナジーが発揮できると考えている

石居 岳

2022年2月14日 9:30

ホームセンターのDCMなどを傘下に持つDCMホールディングスは2月10日、取締役会で家電EC専業大手エクスプライスの全株式を取得することについて決議し、株式譲渡契約を締結した。

投資ファンドのサンライズキャピタルが保有する全株式を買い取る。取得額は非公表。

エクスプライスは家電を主軸に幅広い商品を販売する家電EC専業大手。2021年6月期連結業績は、売上高が前期比19.4%増の647億900万円、営業利益は同157.0%増の12億3100万円、経常利益は同149.3%増の11億9400万円、当期純利益は同211.8%増の4億7400万円。

「楽天市場」に出店する5万店舗以上の中から、「購入者からの投票」「2021年の売り上げや受注」などを主な基準に優れたショップを選出して表彰する「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2021(楽天SOY2021)」の総合2位を受賞している。

ホームセンターのDCMなどを傘下に持つDCMホールディングスは2月10日、取締役会で家電EC専業大手エクスプライスの全株式を取得することについて決議し、株式譲渡契約を締結した
家電ECサイト「XPRICE(エクスプライス)」

DCMホールディングスは、エクスプライスの特徴あるブランド、ポジショニング、EC運営のノウハウ、事業戦略は、グループが新たに確立したい事業領域と軌が一致すると判断。ECに強みを持つエクスプライスとリアルに強みを持つDCMホールディングスグループの連携で、EC事業のリアル店舗活用や相互送客、非家電領域での商品ポートフォリオ拡充、物流のスピードアップとコストダウンなど、さまざまな事業上のシナジーが発揮できると考えている。

エクスプライスの経営について、経営陣は従来通り、家電の仕入れ・販売は引き続き独立して行う。DCMホールディングスの経営資源を生かし、相互送客、非家電領域の品ぞろえの拡充、物流のスピードアップとコストダウン、上場企業としての信用力向上、資金力の強化など事業上のシナジーを創造し、顧客の安心・便利を追求していく。

サンライズ・キャピタルは2018年、エクスプライスの社名がMOAだった時代に創業オーナーから全株式を取得。2021年6月、代表権のある社長にNHN JAPAN(現LINE)で執行役員、トランスコスモスで取締役専務執行役員などを務めた稲積憲氏が就任した。

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