楽天が、仮想モール「楽天市場」で販売される商品の品質管理を強化する。1月24日にボーケン品質評価機構と提携。ユーザーからクレームがあった衣料品などを楽天が店舗から購入し、ボーケンが品質確認を行い、問題があった場合は店舗に商品情報の修正などを促す。扱う商品の品質向上につなげることで、アマゾンなど競合する仮想モールと差別化したい考えだ。

楽天市場で扱う商品は、出店する事業者が製造したり仕入れたりしたものであるため、これまでは品質管理に関して楽天が直接関与することは少なかった。同社では近年、ブランド模倣品などの権利侵害品に関しては外部団体と連携して対策を講じており、販売する商品のさらなる品質向上に向けて、第三者機関との提携を決めた。

ボーケンは繊維製品を中心に、家庭用品の試験・研究を行う試験機関。楽天コーポレート統括部品質管理部品質向上課の半井大輔ヴァイスシニアマネージャー(=写真(左))は「ネットで物を買うのが当たり前の時代になったが、『ネットは商品を手に取って確認できない』ことを不安に思う消費者は依然として多く、品質向上への取り組みが一層重要になっている」と提携の狙いを説明する。

楽天コーポレート統括部品質管理部品質向上課の半井大輔ヴァイスシニアマネージャーと(写真左)ボーケン品質評価機構の三輪克司執行役員
楽天コーポレート統括部品質管理部品質向上課の半井大輔ヴァイスシニアマネージャー(写真左)とボーケン品質評価機構の三輪克司執行役員

具体的には、商品レビューでユーザーから品質面での指摘があった商品などに関して、問題がありそうなものについては、実際に購入して品質を検査する。具体的には「着心地に違和感があったが、素材情報は正確か」「使用して2回目で壊れた。品質強度は十分なのか」といったレビューがあった商品が対象となる。楽天はレビューなどユーザーからの声をモニタリングするほか、ボーケンは楽天からの情報をもとに、定期的に出店店舗の表示をチェックする。対象となるのは、家庭用品品質表示法(家表法)で扱う繊維製品、電気機械器具や雑貨工業品などとなる。

例えば「カシミア100%とページに表示されていた商品が、実際には羊毛100%だった」という検査結果が出た場合、景品表示法違反(優良誤認)の恐れがあるため、楽天が当該店舗に商品情報の修正を指導する。ただ、表示情報の間違いに関しては、「店舗が仕入れ元からの情報をそのまま記載していた」というケースも多いため、ルール違反を犯した際に点数を付与し、累積点数によって罰則を課す「違反点数制度」の加点に直接つながることはないという。

また、景表法に反しない場合でも、商品表示に関する新たなルールに反映することを検討する。現状の家表法では、繊維商品など指定された商品に関しては、縫い付けラベルや下げ札で定められた表示を求めている。ボーケン品質評価機構の三輪克司執行役員(=写真(右))は「店舗で購入する場合は問題ないが、ネットで買う場合はページ上にこうした情報が表示されていないことがある。楽天側で表示ガイドラインを策定すればユーザーにとってはありがたいのではないか」と指摘。ただ、楽天では「ルールを増やすことが必ずしも良いことだとは思っていない」(半井ヴァイスシニアマネージャー)としており、今回の取り組みを通じて、素材情報をめぐるクレームなどが実際にどの程度発生するかを勘案しながら、組成表示の義務付けなど新たなルール作りが必要かどうかを検討していく。

ボーケンからの検査報告をもとに、問題があった場合は店舗側にページ表示の修正など、改善を要請する。半井ヴァイスシニアマネージャーは「あくまで同じことが起きないようにするのが狙いで、店舗の気付きにつなげていきたい」と説明。「仕入れ元からの情報を記載した」というようなケースでも、店舗に対し商品表示に関してより慎重な対応を求めていく。

また、事例をボーケンが定期的に開催するセミナーや、楽天が提供するネットから店舗が動画で学べる講座「RUx」などにも反映させることで、店舗の啓発につなげていく。ボーケンの三輪執行役員は「法律について知ってもらうとともに、問題が起きやすい商品を把握し、扱う場合は事前に検査をするようにしてもらえれば」と話す。

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