鳥栖 剛[執筆] 9:30

ファストファッションブランド「SHEIN(シーイン)」をグローバル展開するSHEIN Grpup(シーイン・グループ)は6月26日、製品の安全性と品質管理体制を強化するための新たな目標と施策を発表した。

製品試験数を2025年には前年比25%増となる250万件にまで拡大。コンプライアンス関連施策への投資額は年間1500万米ドルに達する見込みとしている。

国際的に認知された15の製品検査機関との連携を強め、製品検査体制を強化していく。「SHEIN」の製品安全品質管理体制は、米国の消費者製品安全法(CPSA)、EUの一般製品安全規則(GPSR)など各国の関連法規や業界基準に準拠しながら、独自の安全基準に基づいて構築。製品検査は販売前から販売後までの各場面で実施し、製品が常に適正な基準を満たすよう継続的にモニタリングしている。また「SHEIN」の専任コンプライアンスチームが世界各国の法令を注視し、基準やポリシーを定期的に更新しているという。

「SHEIN」の行動基準と方針

「SHEIN」は製造パートナー・サードパーティ販売者を含む全サプライヤーに、関連する製品安全法や規制、「SHEIN」が定める管理基準と方針(「SHEIN」の「使用禁止物質リスト(RSL)」やサプライヤー向け行動規範など)への準拠を求めている。

また、方針と基準を満たす「承認済み」素材ライブラリを常時管理。すべての「SHEIN」デザイナーが利用できるようにしており、現在はライブラリの要件を強化し、生地だけでなく、アパレル製品としてのコンプライアンス試験に合格した装飾品や付属品も含むようにしたという。ライブラリへ登録されるには、対象素材が「SHEIN」の基準に適合し、化学的安全性基準に準拠している必要がある。

生地管理の取り組みとして、たとえばポリウレタン(PU)など高リスクの生地は、「SHEIN」のRSL(制限化学物質)テストに合格しなければ素材ライブラリに登録されないようにしている。そのほか、2025年4月以降、「SHEIN」ブランドの子ども用アパレルに使用される可能性のある生地は、登録時に化学成分および可燃性の検査を受けることが必要となった。

装飾品・付属品管理については、素材ライブラリの拡張に伴って最終製品の付属品に対しても追加のコンプライアンス追跡システムを導入した。付属品の登録を希望するサプライヤーは、「SHEIN」のRSLやその他の関連基準に準拠していることを証明する試験報告書の提出が必要となった。

書類や認証の審査

ではサプライヤーに対し、電子機器、子ども用玩具・製品、ベビー用品、化粧品、医療機器、軽工業製品、個人用防護具、繊維製品など、特定の法規制の対象となるカテゴリーの商品に関する証明書を、「SHEIN」のシステムチェックや手動審査のために提出することを義務付けている。高電圧電子製品を扱う全ての販売者に対しては、試験報告書、ラベル、RoHS(EU)、FCC(米国)などの認証書類の確認頻度を増やす予定。

モニタリング・製品試験

製品の販売サイクル全体において第三者試験機関と連携して化学物質を含む安全試験を実施している。2025年には国際的に認知された15の試験機関との提携を拡大し、検査数増加をめざす。

不適合・方針違反で契約解除も

不適合や方針違反と判定されたサプライヤーに対しては、商品の掲載削除、サプライヤーポイントの減点、再発注制限、契約解除など、事案ごとの重大性に応じた措置を講じるという。製品に関する申し立てがあった場合には、調査期間中は該当の商品を一時的にサイト掲載を停止する。実際にマーケットプレイス「『SHEIN』Marketplace」の開始以降、コンプライアンス要件を満たさなかった540以上の販売者との取り引きを終了しているという。

SHEIN Grpupは、「『SHEIN』ブランド製品および、マーケットプレイス上の販売者による製品の全ての製品において『安全で信頼できる商品を提供すること』に全力で取り組んでいる」としている。

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