スーツのAOKIが右肩上がり続けるネット販売で売上構成比3%目指す、オムニチャネルも推進
スーツの企画・販売などを手がけるAOKIではネット販売事業を強化している。同事業は毎年右肩上がりで売り上げと利用者数を伸ばしており、社内でも成長性の高い分野として期待も高まっている。中長期的には社内の売り上げ構成比で3%にすることを目指す。
同社は2009年頃から本格展開している自社通販サイトの「AOKIオンラインショップ」(画像)においてスーツ、シャツ、ネクタイ、カジュアル衣料品など約30品目以上を販売。主力であるスーツの売れ筋価格帯は2万~3万円となっている。
現在の通販事業は約1店舗分の人員規模で構成した専任部署が運営。過去には仮想モールに出店していたこともあったが「セール品しか売れず在庫消化にしかなっていなかったので今は閉めている。レギュラー商品を売るためには自社できちんとコストをかけなくてはいけないと感じた」(同社)とする。
メーン顧客層は男性で30~40代が半分以上を占めており、20代では10%程度。実店舗と比べて60代や10代などの比率が低くなっている。一方で女性顧客の割合は実店舗の2倍近い規模となる。地域別では四国や九州・沖縄の一部地域といった実店舗の無い地域が比例するようにサイトの利用率が低く、東京・大阪といった首都圏の割合が高い。
サイト構成については商品販促の効率化のためにコーポレートサイトをはじめとする各種媒体と連動した内容を心がける。キャッチコピーのほか、共通素材として利用している商品画像ではモデル撮影を担当する販促部とも話し合って、商品特性を訴求しやすいイメージを注文。ストレッチ商品であればその伸縮機能が際立つようなポージングの画像を依頼するなどメッセージ性が強まる内容を求めている。「改善の余地はまだある。対面できない通販でも実際に接客されている印象を顧客に与えたいので、画像やテキストにはこだわりたい」(同)とした。
集客についてはまず店舗利用者へのアプローチに注力。来店時にアドレス登録した顧客に対しては通販サイトの告知メルマガを配信する。「店頭調査で過半数が通販サイトを知らなかったという結果もあったので、今は認知拡大の部分に力を入れている」(同)とした。
今後はポイント連携や店頭受け取りなど連携範囲も広げていく方針で、今年6月には「AOKI」とグループブランドの「ORIHICA」の顧客管理システムを統合・刷新。ポイントカード会員やメルマガ会員、モバイル会員など複数チャネルに分散していた1500万人分の顧客情報を一元化した。ネットと店舗のポイント連携に向けた下地づくりは着実に進んでおり、今後は購入履歴など全チャネルを横断した詳細な顧客分析作業が行える環境を整えていく。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
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