カゴ落ち・検索の前に勝負が決まる――購買ファネルの早期化に対応せよ。大手ブランドがシフトする「節約ツール×AI」投資の今
ノースウェスタン大学とMintyの最新調査によると、AIを活用したショッピングツールやキャッシュバックアプリが従来型広告以上の影響力を持ち始めています。2027年にはAIが顧客アプローチの主流になると予想され、購買ファネルの初期段階でAIエージェントへ直接働きかける「プロアクティブコマース」への予算シフトが加速しています。
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ノースウェスタン大学のRetail Analytics Councilと、AIショッピングアシスタントを手掛けるMintyが共同で実施した最新調査(2026年9月公表)によると、キャッシュバックアプリやセール情報プラットフォーム、AIを活用したショッピングツールが、従来型広告よりも消費者の購入判断に大きな影響を与えるようになっています。これに伴い、多くの小売企業がマーケティング予算の投資先を根本から見直し始めています。
AI経由の購入拡大で激変するマーケティング予算
AIプラットフォームは、消費者がオンライン上のどこで、どのように買い物をするかに、ますます大きな影響を及ぼしています。それに伴い、小売企業もマーケティングや広告への予算の使い方を変えつつあります。
こうした傾向は、ノースウェスタン大学のRetail Analytics Councilと、AIを活用したショッピングアシスタントを提供するMintyが発表した新たな調査で明らかになりました。キャッシュバックアプリ、セール情報を提供するプラットフォーム、価格比較ツールが、従来型広告やロイヤルティプログラム、リテールメディア、クリエイターマーケティングと比べ、消費者にとって「最も役立つ」チャネルになっていると分析しています。
この調査は、小売企業・ブランドメーカー・オンラインマーケットプレイスのEC意思決定者150人を対象に実施。年間売上高1億ドルを超える企業が98%を占めています。
2027年、主要な集客チャネルは「従来型検索」から「AI」へ
調査結果によると、回答者の79%が「2027年には自社の主要な顧客層が日常的にAIツールを利用するようになる」と予測。また、消費者の購入判断に最も役立つマーケティング手段として、81%がキャッシュバックや節約につながるツールをあげました。ノースウェスタン大学のアソシエイトディレクターであるフランク・ダドリー氏はこう指摘します。
これは単にマーケティング担当者が予算の細かな項目を微調整しているレベルの話ではありません。商品が発見され、顧客に選ばれるプロセスそのものが根本から変化しており、企業はその地殻変動に対応しているのです。
実際、米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』と調査会社Bizrate Insightsが実施した2026年の消費者調査でも、消費者がAIツールを利用する最大の理由は「よりお得な条件やセール情報(お得な商品)を探すこと」であることが判明しています。
ダドリー氏はさらにこう付け加えます。
消費者が価格比較、選択肢の評価、費用対効果の最大化のためにAIを活用するようになり、ブランド側もそれらの意思決定に直接影響を与えるチャネルや機能へ予算を再配分しています。
購買ファネルの早期化に対応する「プロアクティブコマース」の登場
今回の調査では、マーケターの3分の2(約67%)が「2027年にはAIが顧客へリーチするための最も主要な手段になる」と回答しました。その結果、半数以上の企業がキャッシュバックなどの節約施策とAIを組み合わせた運用を始めています。
特筆すべきは、回答企業の50%が「AIエージェントを直接対象としたマーケティング活動」を行っている点です。一方で、「2027年も従来型の検索エンジンが顧客リーチの主要手段であり続ける」と答えた割合は18%にとどまり、ソーシャルメディア(SNS)に期待する割合も13%に低迷しています。
Mintyでは、消費者がAIエージェントを活用して商品を探し始める購買プロセスのごく初期段階からアプローチする手法を「プロアクティブコマース(proactive commerce)」と定義しています。
Mintyの最高マーケティング責任者(CMO)であるロドニー・メイソン氏は、次のように説明します。
「購買における意思決定のタイミングは、ECの購入ファネルにおけるより早い段階へと移動しています。顧客が検索窓で検索したり、クリックしたり、あるいはカゴ落ち(離脱)を起こしたりする前に、消費者本人とその購買を代行するAIエージェントの両方に対して商品の総合的な価値を伝える「プロアクティブコマース」は、すでに市場のトップ企業によって実践されています。今回の回答者の過半数も、2027年までに導入する意向を示しています。
すでにAIプラットフォーム上で初期調査を行う消費者をターゲットにしているマーケターのうち、61%が全体のマーケティング予算を増額する、または既存予算をキャッシュバックや節約アプリへ振り向けていると回答しました。
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