デジタルビジネスの総合支援を手がけるDGビジネステクノロジー(DGBT)が実施した「大手ECサイト100社のサイト内検索調査2026」によると、約7割のECサイトで検索精度に課題があることがわかった。また、約5割のサイトが検索結果が0件だった際、キーワード候補の提示やレコメンドの提示といった「次の行動」を促す案内をしていないことが判明した。
調査では、DGBTが国内EC売上高上位100社が運営するECサイトのサイト内検索UIを独自に調べた。調査期間は2026年1月15日〜3月25日。
3分の2以上のECサイトで同義語対応が不十分
「スマホ」と「スマートフォン」、「靴下」と「ソックス」など、意味は同じでも言葉が異なる「同義語」への対応スコアは32%にとどまり、3分の2以上のサイトが十分に対応できていない。検索する言葉によって表示商品が異なるなど、約7割のサイトで検索精度に課題があり、ユーザーが目的の商品にたどり着けない可能性があることが浮き彫りになった。
DGBTは「同義語対応には辞書登録や類義語設定といった継続的な運用が必要であるものの、商品の入れ替えやトレンドの変化に手動で追いつき続けることには限界がある。『サイト内検索エンジンを入れたのに、思ったほど成果が出ない』という声の背景には、この同義語登録の運用の壁が存在しているケースが多い」と指摘している。
0件ヒット後の“次の行動”は半数が未対応
検索結果が0件だった際のユーザー対応は、約半数のサイトでできていないことがわかった。「何も見つかりませんでした」や「検索結果:0件」と表示するだけにとどまり、ユーザーに次の行動を促す案内をしていないサイトは47サイト(50%)だった。
DGBTは「検索精度を高めても、在庫切れや入力ミスによって0件になるケースは避けられない。その際のユーザーへの対応は離脱と機会損失に直結する」とし、「関連キーワードの提示や類似商品のレコメンド、カテゴリ検索のUIなど次の行動を促す仕組みを用意し、検索体験を向上することが求められる」と提唱している。
8割のサイトで「表記ゆれ」対応進む
調査結果によると、ひらがな・カタカナ、全角・半角などの入力の揺れを自動吸収する「表記ゆれ対応」は、2026年は78%となり大幅に改善した。過去の同調査では、2023年は33%、2024年は48%だった。
DGBTは「高度な処理性能を持つサイト内検索エンジンの普及により、キーワードの表面的な不一致で検索結果が表示されないという初歩的な課題は多くのECサイトで解決されつつある」と解説している。
2026年、“運用の壁”解決の鍵はAI・LLMの活用
調査結果を受け、DGBTは「表記ゆれ対応は過去3年で倍以上に改善している」としながらも、同義語対応は32%にとどまり、0件ヒット時の案内ができていないサイトも50%に上っていることを指摘し、「改善の余地が明らかになった」と解説している。
同社は「サイト内検索エンジンを導入するだけでなく、商品特性やユーザー属性に合わせた独自の検索体験を構築し、継続的にアップデートしていくことが求められる」と喚起。さらに、事業者の運用負荷削減、辞書登録に頼りすぎない柔軟な検索体験――の両方の観点から、AI技術やLLMを検索エンジンに組み合わせた活用が“運用の壁”の解決やECサイトの競争力を左右する鍵になると提唱している。
調査概要
- 調査主体:DGビジネステクノロジー
- 調査期間:2026年1月15日〜3月25日
- 調査対象:ネット通販売上高上位100サイト(日本ネット経済新聞「ネット通販売上高ランキングTOP520」2025年度版より/調査対象は国内EC売上高上位100社のうち、会員登録が必要な6サイトを除く94サイトを調査)
- 調査方法:上位100社のECサイト(スマートフォン版)を目視で確認。5つの指標・合計25項目をスコア化して評価
- 5つの指標(調査項目):キーワード検索、カテゴリ検索、検索結果表示、検索精度、検索速度
※記事初出時、冒頭に不要な文言が記載されていたため、4月24日9時50分に訂正いたしました。
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