フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上

フェリシモの「定期便事業」は、「顧客数」「購入単価」「購入頻度」を主要なKPIとして計測、評価している。2025年2月期については、のべ顧客数は減少したが、平均購入単価、顧客1人あたりの購入頻度(回数)が増加した。

鳥栖 剛[執筆]

4月15日 9:00

フェリシモの2025年2月期決算は、当期純損益が黒字転換した。神戸ポートタワーの運営など新たな事業領域の開発と育成に取り組むと同時に、収益性の強化を進め大幅な増益を達成した。

連結売上高は前期比0.5%減の294億4900万円。営業損益は7000万円の黒字(前期は9億3100万円の赤字)、経常損益は2億2700万円の黒字(前期は6億1200万円の赤字)、当期純損益は1億3600万円の黒字(前期は8億5800万円の赤字)となった。

主力の「定期便事業」売上高は同0.6%減の269億2300万円。「ファッション」ジャンルが前期を上回ったが、「生活雑貨」「手作りキット・レッスン」などのカテゴリーが減少となった。

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上
定期便のファッションジャンルは前期を上回った(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

フェリシモの「定期便事業」は、「顧客数」「購入単価」「購入頻度」を主要なKPIとして計測、評価している。2025年2月期について、延べ顧客数は減少したが、平均購入単価、顧客1人あたり購入頻度(回数)が増加した。

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上
のべ顧客数は減少したが、平均購入単価、顧客一人当り購入頻度(回数)が増加した(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

顧客数

社会貢献型プロジェクトや防災提案、新社会人向けメディアの立ち上げなど、新たな層へのアプローチを実施。下半期からは新たな顧客層の開拓、継続 顧客の定着率が改善するなどしたが、通期では延べ顧客数が前期比で4.4%減となった。

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上
顧客数は通期で前期比4.4%減に(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

購入単価

「ファッション」カテゴリーの主力ブランドの復調に加え、戦略商品の投入が奏功したことにより、平均購入単価は前期対比で3.7%増となった。

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上
購入単価は前期比3.7%増に(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

購入頻度

顧客1人あたりの購入頻度(回数)は前期対比で2.1%増。購入頻度の高い顧客の構成比が前期を上回り、顧客との継続的な関係育成の面で良い状態を保つことができたという。

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上
購入頻度も前期比で2.1%増となった(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

2026年2月期も大幅増益へ

2026年2月期については「顧客基盤の拡大」と「顧客との継続的な関係育成」を進め、神戸ポートタワー事業やリテールメディア事業など「第2の収益の柱の育成」をさらに加速させて増収・増益をめざす。

今期の売上高の見通しは前期比3.7%増の305億3100万円、営業利益は同94.1%増の1億3700万円、経常利益は同7.3%増の2億4300万円。当期純利益は同31.9%増の1億7900万円としている。

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