猛暑で消費者の外出行動はどう変化した? 猛暑日の土曜日は日中の外出が夕方へシフト
電通とunerryの調査によると、猛暑時の外出行動は最高気温35℃以上の「猛暑日」を待たず、31度前後から変化し始める。特に土曜日は日中の外出が抑えられ、夕方以降へシフトする傾向が鮮明で、小売や商業施設にとっては販促や需要予測を見直す目安になりそうだ。
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電通とリアル行動データプラットフォームを運営するunerry(ウネリー)は7月24日、猛暑下における生活者の外出行動に関する調査結果を発表した。2025年6〜9月の全国の人流データを分析したところ、土曜日の外出行動は最高気温35度以上の「猛暑日」を待たず、31度前後から変化し始めることがわかった。日中の外出が減少する一方、夕方以降の外出が増える傾向が確認されており、企業にとっては31度前後が需要変化への対応を検討する目安になる可能性がある。

土曜日は31度前後から日中の外出が減少、夕方以降へシフト
調査では、500メートル以上の移動を「外出」と定義し、全国47都道府県の人流ビッグデータを分析した。
その結果、土曜日は最高気温が31度前後になると日中の外出が減少し始め、35度以上の猛暑日には9時〜16時台の外出率が低下する一方、18時以降の外出率が上昇する傾向が確認された。日中の外出率は14時台で最大1.9ポイント低下し、夕方以降は19時台で最大1.3ポイント上昇した。

一方、平日や日曜日でも日中の外出は減少するものの、土曜日のような夕方以降への時間帯シフトは限定的だった。特に日曜日は日中の外出抑制が顕著で、13〜14時台には最大3.2ポイント低下した。
地域差鮮明も暑さと行動変化は必ずしも一致せず
地域別では、土曜日の夕方以降への外出シフトと、日曜日の日中外出抑制がともに顕著だった地域として、宮崎県、鳥取県、徳島県などがあがった。

一方、気温が高い地域でも外出行動の変化が比較的小さいケースもあり、暑さの厳しさと行動変化の大きさは必ずしも一致しないことも明らかになった。
また、公共交通機関の利用割合が高い都市では、自動車移動中心の都市に比べて、土曜日の夕方以降への外出シフトが起こりにくい傾向も確認された。電通とunerryは、都市構造や交通インフラの違いが、猛暑時の生活者行動に影響していると分析している。
「35度」ではなく「31度」が行動変容の分岐点に
調査担当者は、猛暑による行動変容は土曜日に最も表れやすく、日曜日は外出そのものを控える傾向が強まると説明する。特に注目すべき点として、生活者の行動変化が猛暑日の基準である35度ではなく、31度前後から始まっていることを挙げた。この温度帯は、企業や自治体が暑熱対策や需要変動への対応を検討するうえで重要な目安になるとしている。
調査に助言・協力した国立環境研究所 気候変動適応センターの真砂佳史氏は、地域や曜日、交通環境によって適応行動が異なる点に着目。同じく調査に助言・協力した東京大学未来ビジョン研究センターのHICARIプロジェクトも、31度前後から生活者の行動変容が始まるという知見は、気候変動への適応策や企業の気候リスク評価を検討するうえで重要な示唆になるとコメントしている。
電通とunerryは今後、購買データや住宅市場データ、生活者意識データなどと組み合わせた分析を進め、猛暑が消費行動や暮らしに与える影響を多面的に明らかにしていく方針。猛暑を単なる気象リスクではなく、需要変動を左右する経営課題として捉える動きが、流通・小売業界でも広がりそうだ。
調査概要
- 目的:気候変動がもたらす生活者の外出行動の実態把握
- 対象エリア:外出行動分析 全国47都道府県
全国都市交通特性調査のデータを用いた分析70都市 - 調査手法:unerryが運営するリアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」に蓄積された人流ビッグデータを用いた外出行動分析
- 調査期間:2025年6月1日~9月30日(極端な天候影響を排除するため、7時〜23時台に3mm以上の降雨の日・都道府県は集計に含まない)
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