フードデリバリーサービス「menu」が終了、menu株式会社は精算へ

KDDIが「menu」の提供終了とmenu株式会社の解散・清算を決定した。au経済圏と連携して育成してきたフードデリバリー事業は転換点を迎える。Woltやfoodpanda、DiDi Foodの撤退に続く動きとして、再編が進む国内市場の厳しさも浮かび上がった。

鳥栖 剛[執筆]

8:30

KDDIは8月19日、子会社のmenuが提供するフードデリバリーサービス「menu」を終了し、menu株式会社を解散・清算すると発表した。サービス終了日は2026年9月30日を予定している。KDDIは共同運営してきたレアゾン・ホールディングスが保有するmenu株式を取得し、menuを完全子会社化した上で、利用者、加盟店、配送員への対応や、その後の清算手続きを進める方針だ。

フードデリバリーサービス「menu」が終了、menu株式会社は精算へ
フードデリバリーサービス「menu」がサービス終了

KDDIによると、終了の判断はフードデリバリー市場を取り巻く競争環境の変化や今後の事業見通しを総合的に検討した結果という。経営資源の最適配分の観点から、サービス終了を決めたとしている。menuも終了理由について、「昨今の事業環境の変化に伴い、今後の持続的なサービス提供が困難であると判断し終了を決断した」と説明している。

「menu」の通常注文は2026年9月30日20時受付分まで、予約注文は9月23日20時受付分まで受け付ける。一部エリアでは、配達品質の維持が難しい場合、9月30日より前に受け付けを終了する可能性があるとしている。

利用者向けの特典や有料サービスも順次終了する。「Pontaパス」の特典である配達料無料・クーポンは9月30日で終了。「menuスマートパス」および「menu pass」は9月1日以降、自動更新を停止する。返金・キャンセル対応の受付は10月7日23時59分まで。問い合わせ窓口は、顧客、加盟店、配達員それぞれを対象に10月31日まで設ける。

KDDIは2021年6月、menuと資本業務提携を締結。menuを持分法適用関連会社とし、「au PAY アプリ」へのミニアプリ追加や、「menu」アプリでのau PAY対応、auスマートパスプレミアム会員向け特典などを通じて連携を進めてきた。

「menu」は2019年4月にテイクアウトサービス、2020年4月にフードデリバリーサービスを開始した。提供開始から1年で47都道府県にサービスを展開し、加盟店舗数は2021年6月時点で6万店に達していた。

さらに2023年4月には、KDDI、レアゾン・ホールディングス、menuの3社で提携を強化。KDDIが50.6%、レアゾンが49.4%を保有するジョイントベンチャー体制へ移行した。

当時は「menu」を国内トップのデリバリーサービスへ育成し、フードだけでなく日用品や食料品も扱う「ラストワンマイル」プラットフォームへの進化をめざしていた。

実際にmenuはフードデリバリーにとどまらず、2026年3月にはローソンと組み、「ローソンアプリ」から注文できる「ローソンデリバリー powered by menu」を開始。12都道府県の約1800店、約3000品目を対象に最短15分配送を打ち出しており、コンビニ商品を即配するクイックコマース領域の拡大も担っていた。

国内のフードデリバリー市場では、ここ数年、事業者の撤退や再編が相次いでいる。Woltは2022年6月にDoorDashにより買収され、その後も日本市場で事業を展開していたが、2026年3月に日本事業を終了した。このほか、foodpandaやDiDi Foodも日本市場から撤退している。一方、2025年4月からは、韓国のクーパンが展開する「Rocket Now」が日本でサービスを開始。市場から撤退する事業者がある一方、新規参入も続いている。

あなたのまわりの「スゴい人」を表彰します! 第4回 ネットショップ担当者アワード 募集中

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る

企画広告も役立つ情報バッチリ! Sponsored

顧客の8割は「なんとなく」離脱する。ECリピート売上を最大化する7つの鉄板シナリオをアクションリンクが公開 8月3日 7:00 ストア評価2.5→3.8へ! 三陽商会の「SANYO公式アプリ」、リニューアル成功の裏側とOMO戦略 7月29日 8:00 決済承認率15%改善、不正率ほぼゼロを実現。「and ST」が導入したRiskifiedの網羅的な不正対策アプローチ 7月14日 7:00 ECビジネスに有効! リピート促進や顧客満足度向上に直結する「LINE通知メッセージ」とは? 6月22日 7:00 欧米トップ企業はなぜマーケットプレイス化を急ぐのか? BtoB企業の競争力を高める新潮流 4月21日 7:00 サステナブルな付加価値を「利益」につなげる新時代の成長戦略。Amazon提供の「Climate Pledge Friendly」プログラムの全貌+事業者のメリットを詳しく解説 2月24日 7:00 EC売上250億円規模のアルペンが語るOMOの裏側 ―ECシステム刷新、メディアコマース転換、評価制度 2月4日 8:00 AI時代を勝ち抜くEC戦略。レガシーシステムから脱却し、「Shopify」で実現するPDCA高速化とイノベーション 2025年12月23日 7:00 「声のする方に、進化する。」会社全体最適を目標とするワークマンの「補完型EC」 が実践する「レビューマーケティング3.0」とは? 2025年12月17日 7:00 「所有から利用へ」の潮流をAIで勝ち抜く。事例で学ぶレンタル・リユースビジネスの成功法則とEC構築術 2025年12月16日 7:00