AIがもたらしたビジネス成果「事業成長」が56%、「新たな国への進出」が59%、「新製品カテゴリの立ち上げ」が49%

Amazon Adsの調査で、日本の中小企業におけるAI活用が広告運用の格差是正に寄与している実態が明らかになった。動画広告や越境広告への参入障壁が下がり、事業成長や新市場開拓、新製品カテゴリー立ち上げなどの成果にもつながっているという。

鳥栖 剛[執筆]

8:30

Amazon Adsは8月17日、日本の中小企業におけるAI活用が広告運用の格差是正につながっているとする調査結果を公表した。費用や制作面の制約から活用が難しかった動画広告や越境広告について、AIツールの活用によって中小企業でも取り組みやすくなり、大手企業に対する競争力の強化につながっているという。

中小企業の71%、AIで以前は諦めていた広告が可能に

調査によると、日本の中小企業の71%が、費用や複雑さなどを理由に3年前には諦めていた広告オーディエンス、チャネル、フォーマットに、AIツールのおかげでアクセスできるようになったと回答した。動画配信サービス広告については、70%が「AIを活用した広告ツールのおかげで、自社にとって初めて現実的な選択肢になった」と答えた。

中小企業の71%がAI活用によって以前は諦めていた広告が可能に

2023年調査では、動画配信サービス広告を現実的な選択肢として検討していた中小企業は35%にとどまっていた。当時の主な障壁は、費用(62%)、最低出稿額の高さ(40%)、専門代理店を通さなければアクセスできないこと(31%)だった。

3年前の動画配信サービス広告の参入障壁

現在は、テレビや動画配信サービス広告を活用するメリットとして、「新たなオーディエンスへのリーチ」(50%)、「ブランド認知の向上」(48%)、「信頼性の向上」(45%)などがあげられている。

テレビや動画配信サービス広告を活用するメリット

AI活用で「越境広告」のハードルも低下

AIの影響は国内広告にとどまらない。越境広告についても、AIが言語や文化に合わせたクリエイティブ制作や複数国にまたがるターゲティング、最適化運用のハードルを下げているという。

実際に、56%がAIを活用した広告活動や戦略が「事業成長を支えた」と回答。59%は「新たな国への進出に役立った」、49%は「新しい製品カテゴリーの立ち上げを可能にした」と答えた。

AIがもたらしたビジネス成果

実際にAIを活用しているドウシシャでは、3年前はスポンサープロダクト広告が中心だったが、現在はスポンサーブランド広告やディスプレイ広告、Amazon DSPを組み合わせたフルファネル戦略へ進化した。認知から購買までの顧客導線全体を設計し、広告を分析ツールとして活用しながら、計画や最適化に生かしているという。

75%が広告クリエイティブ作成にAIを活用

クリエイティブ制作面でもAI活用は進んでいる。75%が「広告アセット作成にAIを活用」と回答、73%が「動画配信サービスの広告制作にAIを活用」と答えた。また、51%はAIのおかげで広告表現全般において「よりクリエイティブになれた」と回答した。

AIが広告クリエイティブ・運用にもたらした効果

運用面でも、53%が「最適化を迅速化できた」、53%が「予算内でターゲット顧客をより早く見つけられるようになった」と回答。41%は、広告により大きな予算を持つ企業に対する競争力が高まったと認識している。

Amazon Adsによると、日本ではAIツールを活用するAmazon広告主の割合が前年比60%増加。中小企業がこれらのツールで生成した広告クリエイティブの数は、2026年第1四半期に前年同期比57%増を記録したという。

AIツール導入状況とクリエイティブ生成数の変化

最終判断は「人」、AIとの役割分担が進む

一方で、AI活用が進んでも最終判断は人が担う傾向が強い。

広告運用にAIを導入している企業の最終意思決定者については、マーケティング責任者が36%、事業主が35%、人によるレビューを伴うAIツールが15%。人によるレビューを一切介さない完全自動化の意思決定を行っているのは7%にとどまった。

最終判断の役割

Amazon Adsは、中小企業が「人間主導でAIが支援する」方法を採用し、スピードと実行力を高めながらも、最終的な判断を維持していると分析している。

今後の役割拡大も見込まれる。71%が「将来の競争力維持にAIが重要になる」と回答しており、すでに戦略立案(57%)、データ分析(54%)、競合分析(51%)にAIを活用し始めている企業も多い。

拡大するAIの役割

AIの役割は、広告制作や運用といった実行支援から、企画・分析・意思決定領域へと広がりつつある。

中小企業の間に確かな自信の変化が生まれている。AIツールが、かつて手が届かないと感じていた動画配信サービスなどの広告チャネルへの挑戦を後押ししている。クリエイティブ制作から効果測定・最適化まで、あらゆる規模のビジネスがすぐに始められるセルフサービスソリューションを提供している。(Amazon Ads ジェネラルマネージャー シリル・クレルジェ氏)

AIを活用した中小企業向け支援策も展開

Amazon Adsは中小企業向け支援策として、AIを活用したプランニングや最適化、効果測定をワンストップで管理できる「Creative Agent」や、中小企業の挑戦を紹介する「Rising Stars」プログラムを展開している。

9月15日には、中小企業のAmazon販売事業者向け講演「Amazon Ads Local Tokyo Business Accelerator」を開き、AIを活用した広告運用やフルファネル広告戦略の活用事例などを紹介する予定だ。

調査概要

  • 名称:AI in Advertising
  • 調査期間:2026年4月7日~4月23日
  • 対象:日本の中小企業におけるBtoCマーケティングの意思決定者300人。製造業、EC・小売業、金融サービス、美容業など、幅広い業界の回答者を含む。
  • 調査方法:Amazon Adsの委託により、Opiniumが14か国・計4100人を対象に実施した調査の一部。
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