ファンケルがペット関連市場に参入。“日本一”高いドッグフードの勝算は?
ファンケルがドックフードの展開を始めた。原材料や製法、食味にこだわり抜いた商品だが、“日本一”高い価格がネック。9月まで予定するテストマーケティングを通じて市場を見極め、浸透を図る。
飼育頭数は減少するも、拡大するペット市場
「GOODISH(グーディッシュ)」(=画像)は、良質なたんぱく質を含む4つの肉(鹿、鶏、馬、魚)をベースにした味を展開。栄養成分の維持と消化のよさを重視し、極力加熱処理しないフリーズドライ製法を採用した。日本では初めてとみられる。今年2月からウェブを中心に商品の販売を始めた。
ペットフード市場は約4000億円とされる。ドックフードは、飼育頭数が減少しているものの、単価は上昇傾向にある。商品・サービスも最近では、食事や洋服、レジャーだけでなく、子犬の社会化を目的にした幼稚園などペット関連市場は広がりをみせる。
良質商品だが、ネックは高価格
商品は、大きくペットフード公正取引協議会が定める栄養基準を満たす「総合栄養食」と、基準のない「一般食」に分かれ、形状も水分量によりドライフード、セミモイスト、ウェットフードがある。市場はドライフードが7割を占める。
価格帯は、平均的な3キロの犬種で月2~3000円ほどの「エコノミー」と、同4~5000円の「プレミアムフード」に分かれる。近年は、単価上昇から「プレミアム―」が人気。中でも加熱処理によるたんぱく質等の変質を防ぐウェットフードの一種「フレッシュフード」のニーズが高い。
フレッシュフードは、冷凍による流通が主流だが、「グーディッシュ」は、これをより手軽に利用できるフリーズドライにし、1食分を個包装にして酸化を防ぐなど長期保存の品質、安全性を高めた。
ただ、価格は30袋で1万4300円~1万6500円。3キロ前後の犬種で想定した場合、日常的な利用では同じ製法を採用した輸入品(3~4万円)より高い月4万円超(90袋)の計算になる。
展示会やペット関連のイベントでブランド認知を図るが、「値段は驚かれることが多い」(開発者の舩山尚子氏)。お試し用のテイスティングセット(4袋、2420円)も展開する。
商品は、自らの愛犬がアレルギーで健康を害したことをきっかけに開発。皮膚疾患や虚弱体質になりがちな犬の健康維持に適している。現状の利用者も別のフードとのトッピングや食べムラが生じた際の利用、歯が弱いシニア犬に利用されている傾向があるという。ギフト需要や百貨店外商など富裕層向けのアプローチも模索する。今年3月にはペットグッズの専門店「GREEN DOG」8店舗や同社ECサイトの展開も始めた。
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