アダストリアの2024年2月期EC売上は10%増の689億円、EC化率は28.3%。広告出稿を募る広告事業もスタート
アダストリアの2024年2月期における国内ECの売上高は、前期比10.1%増の689億円だった。オープンアンドナチュラルのグループ入り、自社ECサイト「.st(ドットエスティ)」のモール化などが増収をけん引した。
国内売上高のうちEC売上高が占める比率(EC化率)は28.3%。「ドットエスティ」の売上比率は約15.1%だった。会員数は前期末比約200万人増の約1750万人。自社のリアルとEC店舗による「ドットエスティ」会員の売上比率は約7割となっている。
2024年2月期は、外部企業が「ドットエスティ」に出店するモール型事業のオープン化が進んだ。2024年2月期末で8社9ブランドが出店。美容家電、コスメ、シューズ、インナーなど、各カテゴリーごとの有力企業が出店しており、取り扱いカテゴリーが充実した。
自社ECのオープン化、カテゴリーの充実などで、「ドットエスティ」への広告出稿を募る広告事業も開始。小売り企業が運営するECサイト内の広告掲載枠に、ブランドやメーカーなどの広告を配信するリテールメディア化を進めている。
スタッフのインフルエンサー化も強化、SNSフォロワー数の増加に取り組んだ。期初にインセンティブの拡充、教育研修、分析ツールの3施策を導入し、スタッフをサポートした結果、個人SNSフォロワー数は1年で倍増し1000万人に達した。
ここ数年間、自社ECによる売上高のうち、スタッフの投稿によるスタッフボードとSNS経由の売上は約3割と安定的に推移。スタッフと顧客との強いつながりの構築が、現在の堅調な成長につながっていると見ている。
投資額については今期(2025年2月期)、合計138億円を計画している。ECに関連する投資計画は、成長ブランドとOMO店舗「ドットエスティストア」など国内店舗開発に65億円。自社ECの強化、データ分析、インフラ・セキュリティー関連といったシステム投資に38億円。物流センターやオフィスなど、その他への投資で18億円となる見通し。