アダストリアのEC売上は5.7%増の728億円、EC化率は28.4%。「and ST」のオープン化で流通総額は403億円
アダストリアの2025年2月期における国内EC売上高は、前期比5.7%増の728億円となった。ECサイト「and ST(アンドエスティ)」のモール化による外部ブランドの流通額などの伸びが増収をけん引した。
国内売上高のうちEC売上高が占める比率(EC化率)は28.4%。自社ECである「and ST」の売上比率は約14.9%だった。会員数は前期末比約220万人増の約1970万人、アクティブ会員数は750万人。
なお、アダストリアでは2024年10月に「.st(ドットエスティ)」を「and ST」に名称変更。同年12月1日から「and ST」関連事業を100%子会社であるアンドエスティへ承継している。
2025年2月期は外部企業が「and ST」に出店するモール型事業のオープン化が大きく進捗。2025年2月期末で27ブランドが出店し、流通総額は403億円となった。そのうち、自社グループ販売額は392億円、オープン化販売額は11億円だった。オープン化による外部ブランドの流通額推移は、2024年2月期第1四半期の5ブランド約1億円から、2025年2月期第4四半期に急成長を果たし、27ブランド約5億円と成長した。
連結業績は増収減益、アダストリア単体では下期に苦戦
アダストリアの2025年2月期における連結売上高は前期比6.4%増の2931億1000万円。「and ST」承継後のアダストリア単体売上高は同5.0%増の2309億8300万円。承継前と同基準で算出した単体売上高は同5.2%増の2314億6400万円だった。
営業利益は同13.9%減の155億1000万円。「and ST」承継後のアダストリア単体の営業利益は17.7%減の134億4900万円。承継前と同基準で算出した単体営業利益は同12.3%減の143億3500万円。
経常利益は同13.2%減の159億6400万円。当期純利益は28.9%減の96億1400万円だった。アダストリア単体では天候の変化への対応不足や在庫不足により下期に苦戦した。また円安進行による粗利率悪化、人件費・設備費上昇により営業利益は減少した。そのほか海外事業と飲食事業のグループ会社が、通期で苦戦した。