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来店経路と売れ筋商品から集客・接客戦略が見える
かつて日本の戦国時代には、「魚隣(ぎょりん)の陣」「鶴翼(かくよく)の陣」という戦の陣形がありました。陣形とは、軍勢における兵士の隊形のことで、戦の勝敗を左右するほど重要なものです。サッカーのフォーメーションなどと同様に、自軍の状態に合わせて的確な陣形を取ることで、より大きな力を発揮できたといいます。
これはネットショップでも同じで、扱っている商品に合わせて、的確な陣形をイメージしながら集客・接客を行う必要があるのです。この考え方は、コツ4の「EC4タイプ理論」で述べた、商品タイプ別のショップ運営戦略と密接に関係しています。
商品数が少ない場合は、入口商品への集客に重点を置いた「魚隣の陣」、商品数が多い場合は、SEOやリスティング広告を重視する「鶴翼の陣」をおすすめします。それぞれの陣形の特徴や取るべき施策については次ページで説明していきますが、自店の特徴と取るべき「形」として覚えましょう。
商品数が少ない店は「魚鱗の陣」
商品数が少ない店に適しているのが「魚鱗の陣」です。商品数が少ないオリジナルブランドのタイプ(コツ7)が典型。実際の魚鱗の陣も、主に人数が少ない場合に用いられました。下図のような三角形の先頭に精鋭部隊を置き、中央突破を図る「攻め」の陣形です。
「切り込み隊長」が勝敗を決める
ネットショップにおける魚鱗の陣でも「先頭に配置する商品」が極めて重要。例えば、通販コスメのトライアルキットや食品の試食セットのような、お試し商品や有料サンプルです。こういった、ユーザーが一番最初に接触する商品を「入口商品」と呼びます。商品ラインナップの中では「切り込み隊長」的な存在です。
入口商品を宣伝し、後続商品につなぐ
購入しやすい入口商品を前面に立て、ある程度の広告費をかけて集客します。これは、商品の特性上、「検索からの来店客数だけでは不十分」だからです。
入口商品の購入客には、メルマガなどを活用していろんな商品を継続的に購入してもらいます。いわば「一点突破・全面展開」を目指すのです。
入口商品だけ先走ってもダメ
入口商品は「送料込み・低価格」でとにかくたくさん売るのが一般的です。しかし、世間には入口商品がたくさん売れるだけのお店が多いようです。そのあとの本商品を購入してもらえなければ、何の儲けにもならず、広告費の無駄遣いにしかなりません。
「後々のリピートにつながる」ことが一番重要です。「低価格だから試そう」ではなく「良さそうな商品だから試そう」と思ってもらうべきなのです。
そのためには、商品の紹介の仕方が重要です。良さを語り、購入意欲をそそるような商品ページが欠かせません。いろんな角度からのアピールが必要なので、商品ページは縦に長くなります。コツ34の「縦長商品ページ」という武器を磨かなければ生き残れません。よく覚えておいてください。
豊富な商品数を生かした待ち受け型「鶴翼の陣」
商品数が多い場合には「鶴翼の陣」が向いています。左右に広く翼を広げ、相手を包み込むような陣形で、主に人数が多い場合に用いられました。狙った相手を追いかける魚鱗の陣と違い、いろいろな角度からやってくる相手を待ち受け、柔軟に対応する「守り」の陣形です。
「豊富な商品数」を生かす
有名ブランド商品や型番商品を扱うタイプを中心に、商品数の多い店舗は、ほぼこの陣形になります。「潜在客の幅広いニーズを、大きく広げた両翼(豊富な商品数)でカバーする」イメージですね。
商品が大量にあれば、置いておくだけで集客になるもの。ある程度知られたメーカー・ブランドの商品が大量にあれば、指名買い検索による来店が増え、何もしなくても店の集客力が上がります。
ちなみに、ニッチタイプの店も「入口商品」を作りづらいので、「鶴翼の陣」をとることが多いです。
商品を増やし、SEOを実施
豊富な商品数を生かした集客施策と言えば、「SEO」(検索対策)と「リスティング広告」(検索連動型広告)です。すべての商品に対して行えば、それだけで大幅な集客力アップになります。
「さらに商品数を増やす」のも有効です。インターネットでは無在庫販売がしやすいですよね。この特徴を生かして、取り扱い商品数をどんどん増やしている店も多いです。
地道な努力も忘れずに
ただし、傾向として、価格競争も激しく、利益率が低くなりがちです。継続的に利益を上げるためには、また別の努力が必要です。
ついで買いを促したり、利益率の高い商品をすすめたりなど、「並べて売るだけ」ではない接客力を磨くことをおすすめします。簡単には実現できない代わりに、早く取り組んでおけば、後発の競合への差別化になるからです。
こんにちは、著者の川村トモエです。
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