地方食品の販路は「探される」から「見つけてもらう」時代? 老舗水産会社が「TikTok Shop」開設5か月で累計売上2000万円突破

ヤマニ野口水産は、「TikTok Shop」開設から5か月で累計売上2000万円を突破。既存ECを上回る販売チャネルへ成長した背景には、ショート動画やクリエイター活用、広告配信を組み合わせた運用がある。

鳥栖 剛[執筆]

7月9日 8:00

北海道・留萌市に本社を置き、サケとばやいくらなどの海産物を販売するヤマニ野口水産は、「TikTok Shop」開設から5か月で累計売上2000万円を突破した。2026年2月に「TikTok Shop」を開設し、初月は売上118万円でスタート。3月には512万円を記録し、開設から73日後の4月22日に累計売上1000万円を突破、その後も成長を続け、5か月で累計売上2000万円に到達した。

ヤマニ野口水産は「TikTok Shop」開設から5か月で累計売上2000万円を突破

ヤマニ野口水産によると、この売り上げはAmazonや楽天市場など既存ECチャネル全体の売上を大きく上回る規模になったという。「TikTok Shop」が最大級の販売チャネルへと成長し、地方の食品事業者にとって新たな販路開拓の可能性を示す事例となっている。

ヤマニ野口水産は、加工場の臨場感や商品のシズル感を伝えるショート動画を継続的に投稿するオーガニック施策に加え、晩酌・グルメジャンルを中心とした約160人のクリエイターによる成果報酬型アフィリエイト施策、さらに反応の良かったコンテンツを活用した「TikTok Shop」広告を組み合わせて運用した。こうした施策により、広告への依存を抑えながら効率的な売上拡大を実現したとしている。

購買データによると、購入者の中心は25〜34歳で、男性が過半数を占めた。地域別では東京都、埼玉県、神奈川県を中心とした首都圏の購入者が約半数となった。北海道・留萌で製造した水産加工品を、「TikTok Shop」を通じて首都圏の若年層へ継続的に販売する構造が生まれたことが特徴という。

ヤマニ野口水産の事例は、地方食品の販路が、検索やECモールで商品を「探して購入する」モデルから、動画コンテンツとの偶然の出会いをきっかけに購買へつながる「見つけてもらう」モデルへ広がりつつあることを示している。

地域や知名度に左右されず、全国の消費者へ直接商品を届ける販路として、「TikTok Shop」を活用したディスカバリーコマースの有効性がうかがえる。

今回の運用では、KASHIKAが提供する食品SNS運用支援サービス「2nd Buzz」を活用した。動画ごとの再生数やエンゲージメントデータを分析し、市場で支持されるコンテンツの共通点を把握したうえで、企画立案から運用までを支援するサービスで、食品メーカーを中心とした事業者のSNSを活用した販路拡大を後押ししている。

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