通販新聞ダイジェスト

しまむらが始めるネット通販、約1400店の実店舗を生かすその仕組みは?

スマホでチェックして気になった商品を最寄り店舗で受け取れる「“疑似EC”から始める」(野中正人社長)

通販新聞

2017年10月10日 8:00

カジュアル衣料大手のしまむらは、来年をメドにWebで注文した商品を最寄りの店舗で受け取れるサービスを始める。当面は宅配には対応しないが、利用状況や費用対効果などを見極めて本格的なEC参入や専用倉庫の確保なども視野に入れる。

ユニクロなどSPA(製造小売り)型のファストファッションブランドがEC展開を加速する中、しまむらは仕入れ型の事業モデルで、低単価かつ多品種が特徴のため通販参入には消極的だったが、ファストファッション領域でEC利用が拡大していることなどを受け、デジタル化に踏み切る。

店舗受け取り型のECでスタート

同社では今年に入って「EC研究プロジェクト」を立ち上げているが、まずはスマホでチェックして気になった商品を最寄り店舗で受け取れる「“疑似EC”から始める」(野中正人社長)としている。店舗受け取り型ECとすることで、主力業態「ファッションセンターしまむら」だけで約1380店を構える店舗ネットワークを最大限に生かす。

加えて、店頭の欠品商品を他店などから取り寄せる、いわゆる“客注”は店舗側の業務負担が少なくないため、従来の客注をデジタル化したECとすることで業務の効率化を図る。

サービス化に当たっては、既存の店舗向け配送網を活用するほか、メーカーから直接店舗に納品してもらう仕組みも構築する計画で、現状の客注システムを改修して年内にもテストを行う。

しまむらではメーカーに発注した商品を全量買い取っているが、新サービスの実現に向けて「メーカー側にも商品在庫を備蓄してもらう条件交渉を行っている」(野中社長)とし、協力が得られるメーカーと対象商品を絞って展開することになりそうだ。

通常、他店からの商品取り寄せには2週間程度かかるが、Webを通じた店舗取り寄せでは早ければ1週間以内で受け取れるという。

システム投資や運賃値上げなどの状況もあり、「購入者の自宅に商品を届けるECはハードルが高い」(同)としており、当面はWeb注文品の店舗受け取りに限定。代金も店頭で支払う形でサービス化するが、「ECを始めれば間違いなく認知度は高まり、全社的にもプラスになる」(同)とし、“疑似EC”の利用が一定のボリュームに達すれば本格的なEC参入も検討していくという。

なお、しまむらでは中国市場では上海を中心に「飾夢楽」の店名で事業展開しており、8月には中国の大手通販モール「天猫(Tモール)」に出店。ECチャネルのテストを始めているが、同国では既存店舗が伸び悩んでおり、「飾夢楽」の認知拡大を図る目的で「天猫」を活用し始めたようで、日本での通販展開とは役割が異なるとする。

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