AI経由のEC流入が1年で2倍に!「AIフレンドリー」なジャンルとページタイプ別にみるECサイトの「AI読み取りやすさ」とは?
Adobe Analyticsの最新調査によると、AI経由で米国のECサイトを訪れる消費者が前年比で2倍以上に急増しています。さらに、AI経由のユーザーはコンバージョン率(CVR)が54%高く、サイト滞在時間も長くなる傾向にあります。
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小売事業者は今、AI経由による自社ECサイトへのトラフィック増加と、サイト内でのエンゲージメント向上を実感しています。
AI経由のECサイト流入が1年で2倍に急増
「Adobe Analytics」のデータによると、2026年5月におけるAIを起点とした米国のECサイトへのアクセス数は、前年同月比で138%増加を記録しました。さらに、AdobeがAI経由の流入調査を初めて開始した2024年10月と比較すると、アクセス数は1324%(14倍以上)という驚異的な伸びを示しています。Adobeによると、この調査結果は米国の小売サイトへの1兆回を超える訪問データに基づいているとしています。
北米トップ2000のオンライン小売企業のうち、200社以上がWeb解析に「Adobe Analytics」を利用しており、100社以上がサイトのデザインや開発に採用しています。さらに上位1000社の企業は、コンテンツ配信やECプラットフォーム、マーケティングプラットフォーム、パーソナライズなど、より幅広い用途で「Adobe Analytics」を活用しています。
米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』のデータによると、AdobeをWeb解析に利用しているこれら200社以上の小売企業の2025年におけるEC売上高は、合計で約8364億ドルに達します。
『Digital Commerce 360』が発表した2026年版「トップ1000社レポート(Top 1000 Report)」の「AIコマースランキング」では、AIチャネルがオンライン小売事業者にとって新たな成長の源泉となっていることを示しています。AIプラットフォームからの「アクセスのしやすさ」において、どの事業者が競合他社をリードしているかが浮き彫りになっています。
AI経由の流入がECサイトのエンゲージメントとCVRを改善
調査によると、AI経由で訪れたユーザーのコンバージョン率(CVR)は、AI以外の流入元に比べて54%も高いことが判明しました。2025年の時点では、AI経由のCVRはAI以外の半分程度にとどまっており、状況が大きく逆転したことを示しています。Adobeは次のように指摘しています。
季節的な需要の押し上げがない時期にもかかわらず、AI主導のECトラフィックは5月に過去最高を記録し、2025年のどの月も上回りました。これは、消費者がブランドを発見し、関わりを持つ方法が「持続的に変化」している兆候です。
滞在時間や閲覧ページ数も大幅に向上
さらに、AI経由でECサイトに訪れたユーザーのエンゲージメントは15%向上しました。これは、Adobeが2024年10月に測定を開始して以来、AI以外の流入源と比較して最大の開きとなっています。
具体的には、AI経由のユーザーはサイト滞在時間が53%長く、1回の訪問あたりの閲覧ページ数も23%多いことがわかりました。これは、2026年3月のデータと比較して約2倍の数値に相当します。
2026年初頭、AI経由アクセスの恩恵を最も受けたカテゴリーは?
Adobeは、AIがECサイトのコンテンツをどれだけスムーズに「読み取れるか(AI Readability)」についての評価も実施しました。この評価には、2025年に発表した診断ツール「AI Content Visibility Checker」を使用しています。このツールはあらゆるWebページを分析し、大規模言語モデル(LLM)が読み取れる情報と読み取れない情報を特定し、100%満点でスコアリングします。たとえばスコアが50%の場合、そのコンテンツの半分は機械に読み取られていないことを意味します。
「化粧品」と「家電」がAIフレンドリーなコンテンツで首位に
5月のデータでは、「化粧品」と「家電」カテゴリーがAIによる全体の読み取りやすさでトップになりました。これらのサイトには、以下のようなAIと相性の良いコンテンツが豊富に含まれているためです。
- 成分リスト
- チュートリアル(解説動画や手順)
- 製品の仕様
- ハウツーガイド
- カスタマーサービスページ
Adobeの調査では、化粧品サイトの読み取りやすさは63%、家電サイトは56%。「スポーツ用品」と「アパレル」はそれぞれ51%で、読み取りやすさのランキングでは中間に位置しています。
対照的に、「食品・スーパー(48%)」や「家具・インテリア(47%)」は遅れをとる結果となりました。これらのカテゴリーでは、ページデザインにおける構造的な課題が、AIによる引用(ソースとしての参照)を妨げているとAdobeは分析しています。
ページタイプ別に見るECサイトの「AI読み取りやすさ」
コンテンツやカテゴリーページに焦点を当てると、化粧品カテゴリーがAIの読み取りやすさでトップを走っています。化粧品カテゴリーのブログやニュースページは78%がAIによって読み取り可能で、カテゴリーページや部門ページでも71%と高い数値を記録しました。
カスタマーサポートページに関しては、アパレルカテゴリーが化粧品と並んで、最もAIに読み取られやすいコンテンツを提供していました。
アパレルのトップページは62%が、化粧品のカスタマーサービスやヘルプページは60%が読み取り可能でした。
全体としては遅れをとっているものの、Adobeの評価によると、食品・スーパーのカテゴリーでも、商品詳細ページ(PDP)に限れば70%がAIに読み取れる状態になっていました。
機械(AI)にもアクセス可能なサイト構築が急務
Adobeは、今回の最新データが、米国のECサイトへのAI経由のアクセスが「量(トラフィック)」と「価値(CVRやエンゲージメント)」の両面で成長していることを示していると説明しています。
小売サイトはAIへの露出において堅実な基盤を築きつつあるものの、依然として「重大なコンテンツのギャップ」が存在するとAdobeは警鐘を鳴らしています。
具体的なセクター名は明かしていないものの、優れた実績を上げているトップクラスのカテゴリーであっても、「価値の高いページの30〜40%のコンテンツが、いまだにAIに見落とされているか、キャプチャされていない状態にある」とAdobeは指摘します。
消費者のAIツール利用が加速するなか、ブランドは自社のデジタルプレゼンスを人間にとって魅力的なものにするだけでなく、機械(AI)にとっても完全にアクセス可能な状態にする必要があります。(Adobe)
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