【越境ECトレンド】インバウンド需要の回復+円安で高額商品の売れ行き好調、商品ではトレーディングカードが急伸
イーベイ・ジャパンが発表した2023年4~6月(第2四半期)の越境ECトレンドによると、インバウンド需要が回復した影響で高額商品の売れ行きが堅調に推移している。商品カテゴリーではトレーディングカードの購買がさらに増えているようだ。
カテゴリーランキング(取引額TOP10+成長率TOP3)
5月に新型コロナウイルス感染対策の制限が解除されたことで海外旅行者が増加、インバウンド需要が回復した。この影響により、2022年に大きな成長を遂げたファッションカテゴリーの成長は鈍化した一方、高額商品の販売は堅調に推移したという。
取引額1~10位のカテゴリーは、1位が「レディースアパレル&バッグ、ブランド小物」、2位が「時計・パーツ&アクセサリー」、3位に「トレーディングカード」が入った。トレーディングカードは前四半期(2023年1~3月期)は6位だった。順位の上昇は、ポケモンカードの新作が発売された影響があると見られる。
このほか、2022年から急伸しているデジタルカメラやスニーカーも市場が順調に拡大。イーベイ・ジャパンはこうした商品も「新たな人気カテゴリーの定番となりそう」と見ている。
カテゴリー別の成長率では前年同期比53%増のトレーディングカードが1位に。2位は自動車パーツ(同47%増)、3位はビデオゲーム本体(同37%増)。自動車パーツの成長は日本車の人気が理由。ビデオゲーム機本体は、レトロゲームの人気が理由となっている。
カテゴリー別:売れ筋・注目商品
<ファッション>高額バッグは帰国後に越境ECで購入
ハンドバッグは、「eBay」ではエルメスの人気が続いている。高級バッグは日本の店頭で商品を見て興味を持ち、自国に帰ってから「eBay」で購入するという訪日外国人が増えたという。円安も購買行動を後押ししたようだ。
ジュエリーは、金の価格高騰で需要が高まったことで、金製品の高額宝飾品が好調に推移。
スニーカーも人気が継続している。なかでも、ナイキの希少性が高い商品は、熱狂的なスニーカーファンからの支持が厚いという。
<コレクティブルズ>高額トレカも伸長
トレーディングカードは、ポケモンカード以外にも、「遊戯王」「ONE PIECE」など幅広いトレーディングカードの取引が進んでいる。ポケモンカードは、2023年8月に世界大会が日本で開催されることから7~9月(第3四半期)も伸長すると予測。また、高額なトレーディングカードの取引も伸長している。
ゲームは、ソーシャルメディアなどの影響で、90年代や2000年初頭のレトロゲームに対する懐かしさや興味が再燃。日本のレトロゲームは高品質で状態が良く、種類も豊富なため人気が高いという。
<自動車パーツ・カメラ・スポーツ用品>購入の際の安心感が販売拡大の鍵に?
自動車パーツは「eBay」グローバルで総取引高が最も大きなカテゴリー。日本国内で販売される自動車関連パーツを車両の性能向上・外観の改良・趣味やチューニング目的で求める購入者が世界中にいるという。イーベイ・ジャパンの担当者は「日本の販売者にとって、高い需要に対していかに購入者に安心感を与える情報を提供できるかが、さらなる販売拡大のための鍵になることは間違いない」と指摘している。
カメラは、昨今の円安傾向によって国内外の価格差が生まれやすい状況であったことから、デジタルカメラの販売に踏み切った販売者が多く見られた。
スポーツ用品は、日本製のゴルフクラブが人気だという。このほか、もともと人気があった釣り具をはじめ、キャンプ用品、サイクリングといったカテゴリーも売り上げが好調に推移。コロナウイルスの影響で趣味に没頭する人が増加したことも背景にある。
2023年7~9月(第3四半期)は、ドル円為替が一定の水域で推移すると予測。一時的なインバウンド需要の回帰も落ち着くと予想されるため、「eBay」の売れ行きは好調を保つと見ている。