瀧川 正実 2023/8/1 9:00

徹底した商品計画とファッションロスをなくすための取り組みを進めているアダストリアは、店舗に商品を分配する作業と在庫調整で在庫量や作業負担を効率化する仕組みを導入したことにより、在庫の機会損失が改善したという。

基幹ブランド「GLOBAL WORK(グローバルワーク)」に需要予測のAI(人工知能)を活用したソリューションを導入。そのテクノロジーを導入していない他の商品に比べ、在庫の機会損失が導入前比で3%改善した。

徹底した商品計画とファッションロスをなくすための取り組みを進めているアダストリアは、店舗に商品を分配する作業と在庫調整で在庫量や作業負担を効率化する仕組みを導入したことにより、在庫の機会損失が改善したという
需要予測AIを導入した「GLOBAL WORK」

また、これまで管理できていなかった商品のフォローができるようになり、AIと担当者の判断を比較することで“ヒトの仕事の精度向上”にもつながっているという。そのほか、店頭在庫の最適化で店舗間移動の抑制による配送回数の削減にも期待している。

アダストリアが導入したのは、需要予測AIを手がけるスタートアップのLiaroが提供するAIを活用した「ディストリビューション最適化」ソリューション。ECサイト「.st(ドットエスティ)」の1600万人を超える会員の購入や在庫データを効率的に活用する方針から、2023年春夏の「グローバルワーク」の一部商品に需要予測AIを導入した。

通常、トレンドアイテムの需要予測は難しいとされるが、2021年から本格導入に向けて検証・PoC(実証実験)を行ってきた。

今後は、よりファッション性の高いブランドや商品にもAI需要予測技術を活用する。利用範囲や予測精度を上げることで在庫管理の効率化や働き方の改善に取り組むとしている。

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