酷暑が続く夏に「五季」戦略で夏物5か月展開する三陽商会の商品戦略。ウィメンズ「半袖ジャケット」9倍、「メンズ日傘」220%に増産
三陽商会は、独自の「五季」商品展開カレンダーに基づき、2026年夏商戦で夏物需要を従来の5〜7月から5〜9月へ拡大している。今夏はウィメンズの「半袖ジャケット」を前年比約9倍、メンズ日傘を同220%に増産するほか、夏物の前倒し投入や8〜9月の戦略見直しも進める。
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三陽商会は、気候変動による夏の長期化・高温化に対応するため、2024年に導入した独自の「五季」商品展開カレンダーに基づき、2026年夏商戦を展開している。
気象庁が最高気温40度以上の日の名称を「酷暑日」と決定するなど、記録的な暑さが見込まれるなか、夏物商品の展開期間を従来の3か月間(5〜7月)から5か月間(5〜9月)へと拡大。暑い環境でも快適性とファッション性を両立する商品ラインアップを強化している。

2026年夏の重点施策として掲げるのが、ビジネススタイルの見直しと夏向け商材の拡充だ。通勤スタイルの多様化を背景に、ウィメンズでは「袖なしのジレ」に続く定番アイテムとして「半袖ジャケット」を強化し、生産数を前年比約9倍に拡大する。あわせて、薄手で透け感がありながら、きちんとした印象も演出できる「シアージャケット」も同じく110%へ増産する。
メンズでは、従来のテーラードジャケットに代わる軽快な通勤スタイルとして、シャツとパンツのセットアップやVカラーのカーディガンジャケットを提案する。さらに、6〜8月の商品構成の約5割を占めるトップスカテゴリーも強化。ジャケットのインナーとして開発した「ドレスTシャツ」や、1枚でも着映えする「ドレスニット」の生産数を前年比145%に、ハーフパンツも同140%へ拡大する。
ウィメンズのトップスでは、レースやシアー、メッシュ素材などを採用したデザイン性の高い商品を充実させる。暑さ対策としての機能性に加え、「夏でもおしゃれを楽しみたい」という需要への対応も狙う。

雑貨も強化、「メンズ日傘」は前年比220%に増産
雑貨カテゴリーの強化も今夏戦略の柱の1つ。三陽商会は、気温の変化の影響を受けやすい衣料品に比べ、雑貨の販売は左右されにくいと見ており、売り上げの安定化に向けて雑貨全体の生産数を前年比130%に拡大。総生産数に占める雑貨の構成比も前年の14%から18%へ引き上げる。
なかでも男性の日傘需要の拡大を見込み、「メンズ日傘」は前年比220%に増産。このほか、夏向けバッグや扇子、ミニトートバッグ、チャーム、ミニスカーフなどのラインアップも拡充する。

夏物投入を最大1か月半前倒し
「五季」戦略の実効性を高めるため、夏物商品の投入時期も柔軟に見直している。東京都では4月第2週に夏日を記録するなど、気温上昇が例年より早まったことを受け、一部商品の販売開始を前倒しした。
メンズでは、半袖ニットやニットポロシャツの投入時期を5月上旬から4月上旬へ、ハーフパンツも5月下旬から一部商品を4月上旬へと、最大で約1か月半前倒しした。ウィメンズでも、ノースリーブワンピースを例年の5月から4月へ、フレンチスリーブやノースリーブトップスを5月から4月下旬へと早めて展開している。
8〜9月は「夏物」と「秋物」の2軸で需要を取り込む
一方、8〜9月の猛暑期に向けた商品戦略も見直す。2025年夏商戦では、盛夏・猛暑対応商材の積極投入により7月以降は販売が回復し、8月は前年比110%、6〜8月累計では前年並み(100%)となった。一方、9月は同92%と苦戦した。
この結果を踏まえ、2026年は「気温対応夏物」と「早期秋物需要」の2軸で売上確保を図る。具体的には、「秋色×夏素材」「秋素材×夏デザイン」といった高温対応の商品と、レザーやファー素材のアウターなど早期秋物を並行展開し、気温に合った実用性と季節感を両立させる考えだ。

