宮本和弥[執筆] 3/21 8:30

ウェザーニューズはこのほど、2025年3〜8月までの天気傾向と商品需要を予想した「春夏の小売需要傾向2025」を発表、今春の気温(3〜5月)は全国的に平年並みか高め、夏(6〜8月)は平年より高いと予測した。

3月は偏西風の影響で寒気が流入しやすく、東日本は平年並みか高め、西日本と沖縄・奄美は平年並みとなる見込み。4月以降は偏西風が北上し、5月にかけて暖かい空気が流れ込み、全国的に平年より高い気温となる可能性がある。夏は太平洋高気圧とチベット高気圧がともに強まることで、ダブル高気圧となる可能性もあり、平年より暑くなる予測している。

そのため、コールド商品や日焼け対策グッズなど春夏商品の需要は春の早い時期から高まり、夏も高い水準が続く見込み。今夏は梅雨明けが例年より早く、はじめから猛暑で夏物商品の需要が急増する可能性があるという。

春(3〜5月)

地球温暖化の影響で、北半球全体の気温が平年より高い状態が続く。3月の北日本は平年より高い予想だが、偏西風の影響で東日本は平年並みか高め、西日本と沖縄・奄美は平年並みとなる見込み。4月以降は偏西風が北上し、5月にかけて暖かい空気が流れ込むため、北日本から西日本の広い範囲で平年より高い予想。

夏(6〜8月)

北半球全体の気温が平年より高く、日本付近でも気温が高くなりやすい。日本近海の海面水温も平年より高いため、周囲の気温も上昇しやすい。今年はエルニーニョ現象やラニーニャ現象の発生はない見通しだが、フィリピン東海上の海面水温が高く、対流活動が活発化することで、太平洋高気圧が日本付近へ強く張り出す見込み。さらに、偏西風が日本付近で北を流れやすいため、チベット高気圧も日本付近で北寄りに張り出しを強める時期がありそうだという。

夏の気温は全国的に平年より高く、梅雨明け以降は晴れて暑い日が多くなる見込み。チベット高気圧と太平洋高気圧が重なる「ダブル高気圧」になる可能性もあり、平年より暑い夏になりそうだという。

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降水傾向

3〜5月の降水量は、北日本で平年並みか多め、東・西日本では平年並みか少なめの予想。3月は冬型の気圧配置になることがあるが長続きせず、低気圧と高気圧が交互に通過するため、天気は周期的に変化する。4月は発達した低気圧の影響で春の嵐となる可能性があり、4〜5月は上空の寒気による突発的な雷雨に注意が必要だという。沖縄・奄美は3〜4月の降水量が平年並みか少なめで、5月は前線の活動が不活発なため平年より少ない見込みである。

梅雨入りは平年並みの予想だが、太平洋高気圧の張り出しが強まることで梅雨明けは全般的に早まり、梅雨期間は平年より短くなりそうだという。梅雨の総雨量は全国的に平年並みか少なめと予想される。ただし、梅雨前線の活動が一時的に活発化する時期もあり、強雨や大雨への備えが必要とした。梅雨明け後は日本付近に台風が接近する可能性があるともいう。

春夏の小売需要傾向2025

ウェザーニューズの流通気象チームの気象データアナリストが、過去の春夏のGoogle検索数の傾向と気象データの関係を分析。今年の春夏商品の気温傾向をもとに季節商品が注目される時期を予想した。

3〜8月にかけて全国的に気温が高い傾向が続く見込みで、コールド商品や日焼け対策グッズなどの春夏商品の需要は春の早い段階から高まりそうと予測。夏は太平洋高気圧とチベット高気圧の張り出しが平年より強く、例年以上の暑さが予想されるため、冷やし麺やコールド飲料・経口補水液・スポーツドリンクなどの熱中症対策食品、日焼け止め・ハンディ扇風機などの暑さ対策商品において引き続き高い需要が続きそうだと見ている。

2025年の東日本の気温傾向は、春はエルニーニョもラニーニャも発生しなかった2020年、夏は2022年と類似しているという。春の類似年である2020年3~5月の春夏商品のGoogle検索傾向を参考にすると、「アイスティー」の検索数は3月の気温上昇と同時に増加、ゴールデンウィークの気温上昇に伴い急増している。

2025年の春夏気温は平年より高い予想、夏物商品は春からニーズ増と予測【ウェザーニューズ調査】
「アイスティー」と東京の気温に関するGoogle検索傾向

「日焼け止め」も同様の推移を示し、ゴールデンウィーク付近で検索数が大きく伸びている。外出が増える時期に気温が上昇することで、春夏商品の注目度が一層高まると見ている。

2025年の春夏気温は平年より高い予想、夏物商品は春からニーズ増と予測【ウェザーニューズ調査】
「日焼け止め」と東京の気温に関するGoogle検索傾向

夏の類似年である2022年6~8月の「コバエ」の検索数を見ると、6月下旬~7月初めの気温上昇と同時に注目度が上がり、7月下旬~8月初めにピークを迎えている。2025年も春から夏にかけて気温が高い予想のため、夏の早い時期から防虫対策が必要になる可能性があるという。

2025年の春夏気温は平年より高い予想、夏物商品は春からニーズ増と予測【ウェザーニューズ調査】
「コバエ」と東京の気温に関するGoogle検索傾向

「経口補水液」の検索数は、2022年では6月末~7月上旬にかけて大きく上昇している。この時期は気温が急上昇し、東京の最高気温が35度前後の猛暑が続き、熱中症対策が必須となった。真夏には少し早い時期だったが、2025年は梅雨明けが早まる見込みで、同様に夏のはじめから猛暑となる可能性もあり、気温の動向には注意が必要とした。

2025年の春夏気温は平年より高い予想、夏物商品は春からニーズ増と予測【ウェザーニューズ調査】
「経口補水液と東京の気温に関するGoogle検索傾向

ウェザーニューズでは、アパレル・食品などのメーカーや小売業者向けに「ウェザーニュース for business」として商品との気象相関分析サービスなどを提供している。

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